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還流独歩

防護柵天国 2009.09.19

日本の良いところを書きたいと思うが、どうしても目に付くところを指摘したくなる。最近、特に気になるのは、防護柵/ガードレールの多さである。とにかく都内の道路には防護柵が溢れている。疑問に感じられる方がいたら、街に出たときに防護柵に注意して頂きたい。特に幅の広い道路には、無数の防護柵が設置されている。

もちろん防護柵は必要だ。しかし、それは本当に必要なところにだけ設置して欲しい。集団登校下校中の児童の群れに暴走した自動車が突っ込むという不幸なニュースをたまに聞くが、そういった事故が起きるところには防護柵がなくて、その一方で、要らないところに防護柵が無数に設置されているのはとても不思議だ。

都内だと、公道に駐車できるところが増えているが、防護柵があるために、助手席の扉をあけることができず、車の左側に乗っている人は、駐車する前に車を降りなければならない。無駄なものの弊害だと思う。ともかく都内の中心部は防護柵だらけだ。幅が50cmくらいしかない防護柵もある。こんなにたくさんの防護柵は本当に必要なのだろうか。

調べてみたら、防護柵に関する協会があるのがわかった。加盟しているのは5社である。常に防護柵を意識しているわけではないが、一旦、注意し始めると、「これも要らない」、「あれも要らない」と思ってしまう。そんなことを考えながら街を歩くのは変な話なのだが、こういった無駄は、いくら叫んだところで減ることはなさそうである。

欧州の街には本当に危険な場所を除いて、防護柵のようなものはないと言い切って良いだろう。あるとすれば背の低い支柱/ポールだけだ。歩道と車道を分離するものがないから、街の中はすっきりしているように見える。全般的に無駄なものが少ないのだと思う。それに対して、いろんなところに、たくさん入れ込むのが好きな日本。

これからは、無駄と思える防護柵を写真に記録しようかと思っている。

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