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還流独歩

熱い人たち 2009.10.14

すわ製作所の眞田さんから声をかけて頂いて、多摩産材でつくったモデルハウスを視察するために武蔵五日市へ行く。そこに別の方が数名同行するというのだが、格になる一人の方を除くと、眞田さんも誰が来るか良くわからないという。そういうのは行ってみないとわからないのだから、行くだけだ(笑)。

諸事情により、出席した方と、打合せの内容はお伝えできないが、遅めの昼食を挟んで、11時から16時まで意見交換を行った。集まった6名が、みんな個性的で、しかも熱い。熱いから話はまったくまとまらないし、内容は、どんどん発散して行く(笑)。それでも何となく気持ちだけは同じ方向に向かっていることは確かだ。

午後に、あきる野市の「瀬音(せおと)の湯」を視察に行く。日帰り入浴も宿泊もできる、こんな施設が武蔵五日市にあるとは知らなかった。平日だというのに、足湯には座るところがないくらい人が来ている。世代も多様だし、物産館にも人が一杯だ。宿泊棟も見たかったが、今日は満室で、15時をまわったために、宿泊客のほとんどが既に入っているという。

この温泉施設も多摩産の木材を使った建物で、冷泉を昇温するのにも木屑を利用しているという。その様子が物産館の内部から窓越しに見えるのも良い。緩やかな傾斜地を活かした建物で、内部のデザインも悪くはないと思う。細かなところを指摘すればきりがないが、唯一、残念なのは窓回りがアルミニウムだったことだ。

そのあと、武蔵五日市まで車で送って頂き、視察を終えた。途中の立川で途中下車して、眞田さんと打合せの時間を取る。いま進めている室蘭の物件について、先日の現地での打合せ内容を簡単に報告し、そのあと、何となく気になっていた点を相談に乗ってもらう。

いまひとつしっくり来ない部分は形態だった。敷地と建物の平面計画が、どうも煮詰めきれていないのである。それは前から気になっていたのだが、その時間も取れず、そのままになっていた。眞田さんとの打合せを進めて行くうちに、ひらめいてきたことがあった。

いまの平面計画をほぼ踏襲しながら、太陽をより享受し、明るくて、暖かくて、そしてちょっとした緩衝空間もつくれそうな形態が生まれそうな感じになってきた。それは何も特別な形ではない。敷地の形状と方位と太陽の動きを考慮した、とても簡素で素直な形態が、彼の助言によって実現しそうだ。眞田さんの空間の鋭い捉え方に感謝!

何だかもったいぶっているように思われるかもしれないが、時期を見て、徐々に紹介して行きたいと思っている。今日もあっという間に終わってしまった。明日はドイツに向けて出発である。

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