理念 建築 略歴 連絡
文章 視察 還流独歩 大福企画
還流独歩

さらば東京 2009.10.15

「さらば」と言っても東京を離れるのは三週間だけだ(笑)。そして今日の日記は異常に長い。

夕べは出発の用意をまったくせず、結局1時半に寝て、4時に起床。さすがに辛い。でも以前は朝の3時頃までケルンのバーで飲んで、5時から準備をして出発したこともあるから、今回はまだ恵まれている方だ。ただ慣れているとはいえ、荷物をまとめるのは面倒である。荷造りしながら片付けも一緒にするので、だいたい2時間半くらいかかってしまう。

7時前には荷物をまとめ終わったので、溜まっていた電子メールへの返事を書く。気がつくと既に8時近い。戸締まりをして出る。以前は東京駅までタクシーで行き、成田エクスプレスを使うという何とも贅沢なことをしていたが、最近は上野まで地下鉄で移動し、京成スカイライナーを使うようにしている。これだけで片道2000円弱の節約になる。

成田空港へは問題なく着いた。搭乗手続を終えて、手荷物検査場へ行く。PCや小銭を出して検査をくぐり抜けたあと、荷物を入れ直していると、後ろから来たアメリカ人とおぼしき男性が、係員に話しかけている。彼の手には、さっきチェックアウトしたと思われるホテルの部屋の鍵が握られていた。

その鍵には部屋番号が書かれているから、明らかにどこかの宿泊施設の鍵だ。しかも彼は間違えて持ってきてしまったので、その鍵をホテルに送り返してくれないかと係員に英語で訊いている。一方、訊かれた係員は知らない振りをしている。まったくもって懸命な対応だ(笑)。それには笑えたが、その場が何となく白けた雰囲気になったので、仕方なく彼に話しかけた。

「その鍵は誰も持っていない日本からの素晴らしいお土産だ。しかも、そのホテルの部屋は、次回日本に来るときに予約されているにちがいない」。アメリカ人らしい陽気な彼は「イエ〜ス、フォ〜・ネクストタ〜イム」とか言って喜んでいる。単純で笑える(失礼)。出国審査を終えて、成田空港での唯一の贅沢を味わいにリフレッシュルームに行く。

その贅沢とは500円シャワーである。タオルを貸してくれてこの値段。東京の銭湯が450円だから、タオル付きで500円というのは、意外と安いと思う。ただ、かなり狭いのが難点だ。しかも換気が十分ではないので、シャワーを浴びたあとの熱気が狭い更衣室に充満する。扇風機がついているけれど、最強にしても汗がなかなか引かないことが多い。

ただし、このシャワー室に関して特筆すべき事項が一つある。それは水圧だ。世界中にシャワーがどれだけあるかは知らないが、その中でも、ここの水圧は間違いなく世界最強だろう。もちろん、そんなことは誰も調べられないと思うが、成田空港の第一ターミナル南ウィングのリフレッシュルームのシャワーの水圧は、私の中で勝手に世界一だということになっている。

どれだけ水圧が凄いかというのを説明するのは難しいが、半開手前くらいで○部に当てるのは不可能・・・と言う表現でお分かり頂けるのではないかと思う。一度全開にしてみたいと思いつつ、半開状態でも世界最強と思わせるほどの水圧があるから、それで良しとしておきたい。気分もさっぱりしたあと、飛行機は定刻の11:25に飛んだ。

しかし、最悪だったのは、席の前と後ろに乳幼児を含めた子供が4人もいたことだ。しかも、互いに知り合いのようなのだ。まさに最悪の挟み撃ちである。どちらも母親一人に子供が二人ずついる。小さい方は1歳くらいで、大きい方は3歳が4歳くらいだろうか。子育ての中では、きっと一番大変な時期なのだと思うから同情の気持ちもある。

静かにできる子供なんていないのだが、やっぱりうるさい。大きな電子音が出る遊具で遊ばせたり、アニメの主人公が持っているような樹脂製の刀のようなものを横で振りかざされると、さすがに注意したくなる。仕舞には兄弟喧嘩。ときに発せられる子供特有の奇声も本当にうっとうしかったが、じっと我慢。他の搭乗客も誰も子供を相手にしていない。みんな私と同じ思いなのだろう。

子供がいる家庭は、どこもこんな感じなのだろうとは思う。でもここは自宅ではなく狭い機内だ。二人の母親は子供を叱ることは一切ない。叱って静かになるとは思えないが、野放図に騒がせていることにとても苛ついたのも事実だ。自分にも子供がいたとしたら、同じようにさせるのかな、とも考えた。

子供たちは、11時間近い飛行時間の中で、静かになることはほとんどなく、騒ぎは順次交代しながら最後まで続いた。お陰であまり眠れず、逆に作業がはかどったから良かったけれど、やっぱり疲れた。子供は嫌いじゃないが、うるさい子供は好きではない(笑)。厳しい意見かもしれないが、みんなそうじゃないかな・・・と思う。

最後になって、客室乗務員が耳栓を持ってきてくれた。別に文句を言ったわけではないから、気を利かせてくれたのだろう。それくらいうるさかったということだ(笑)。しかも、フランクフルトに着陸する30分前くらいから、後ろの子供がぐずり出し、もはや手のつけようがない程、泣きまくり始めた。耳栓はしなかったが、耳元でつんざくような子供の泣き声はかなり辛かった。

飛行機を出るとき、客室乗務員がお詫びを言いに来た。別に腹も立たなかったけど、次回の飛行には、乳幼児がいないことを切望したい。いまも泣き声が頭から離れない。そんなわけで、今日はこんなに長くなったのである。ちょっと、あれこれ書き過ぎました(失礼)。

« »