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還流独歩

時間表記 2009.11.18

二日前に暦の配列について書いたが、今度は時間の表記についてである。こういったことがいちいち気になることに嫌悪感を受ける方がいるかもしれないが、アメリカ式の表記方法が気に障るので、書き留めておきたい。アメリカが大好きな人、ごめんなさい。先に謝っておきます。

最近、時間の表記を「am/pm」で表している事例を、たまに見かけることがある。とても紛らわしいので、やめて欲しいと勝手に思っている。例えば、あるお店の営業時間を表記するとき、以下のどちらがわかりやすいだろうか。

営業時間 10 am – 8 pm
営業時間 10:00 – 20:00

日本では24時間表記が一般なので、それに慣れているということもあるが、24時間表記の方がわかりやすいのではないかと私は思う。一方、am/pm表記だと、一瞬、戸惑ってしまうし、何だか馬鹿にされているような気がするのは私だけだろうか。さすがにそれは言い過ぎだけれど、表記でも常にam/pmを付けるとしたら、何となく深みがないというか、単純というか、わかりづらいというか、12までしか考えられないのか、などど揶揄したくもなってしまう。

例えば、日本語の午前/午後の表記ならどうだろうか。

営業時間 午前10時 – 午後8時

am/pmよりも多少はわかりやすい気もするが、漢字が多い分、何となく余計な情報が多いかもしれない。つまり、営業時間を知りたいというとき、頭の中には「何時から何時までなのか」という欲しい情報が明確になっているわけだ。だから、10:00 – 20:00という数字しかない表記の方が一瞬にして頭に入ることになる。そこにam/pmとか、午前/午後という情報が入り込むと、邪魔になるということではないだろうか。

その一方で、日常会話では12時間制で言うことが多い。「じゃあ、3時ね」と言ったら、ほとんどの場合、午後の3時のはずだ。早朝の3時ということもなくはないだろうが、そんなことは早朝に仕事をしている人以外、使うことは少ないに違いない。仕事の約束なら「4時ですね。はい、16時に伺います」と言うことも多いから、24時間表記は日本の社会に深く浸透しているといっていいだろう。

ちなみにドイツも日本と同じだ。くだけた口語では12時間制で、少し固い約束なら24時間もつかう。「2時半ですね」、「はい14:30です」といった具合だ。もちろん文章では24時間表記以外は考えられないし、テレビやラジオなど、毎時0分に始まるようなニュースでは「22時になりました」というように24時間制が使われている。日本だと「午後10時を回りました」と言ったりするかもしれない。

ともかく、何でもアメリカの真似をするのが好きな日本だから、いつの間にか、am/pmを使うのが当たり前になってしまうのではないかと勝手に危惧しているのだが、それよりもアメリカの方が24時間表記に直すべきだろう。ヤードもガロンも紙の大きさも、日本の尺貫法と同じように重要なモジュールだが、国際単位に合わせることなく非協調路線を貫くアメリカだから、時間表記を変えるのは無理に違いない。

アメリカは偉大な国だと思うけれども、変なところが独自路線を貫いていて、それが気になったりするのである。

加筆訂正:2011年2月5日(土)

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