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還流独歩

国際電話料金 2010.01.01

ライン川沿いで新年を迎えたあと、一旦、友人宅に戻り、少し温まってから自宅に戻った。午前3時頃、郷里へ電話を入れる。いろいろと話すことがあり、一時間近く喋った。

いずれ、ドイツの電話料金について書こうと思っていたが、ついでなので、ここで触れておきたいと思う。現在、ドイツの固定電話から、日本の固定電話への電話料金は、もっとも安い回線を使うと、1分あたり1.05セントだ。1セントとは、0.01ユーロである。

1ユーロを130円とすると、日本への1分間の最低電話料金は1円37銭である。これは日によっても時間帯によっても異なるが、日本の市内通話よりも遥かに安い。1時間話したところで僅か80円である。これは驚愕的な金額だと思う。

この安い回線というのは常にウェブ上で検索できるようになっていて、1分15円以内で掛けられる回線数は50以上もある。その大半が事前の申込など不要で、日本の国番号である0081の前に5桁とか7桁の番号を付けるだけだ。

一番安い回線よりも少し高い回線だと、電話がつながる前に1分いくらかという案内が聞けるようになっているから、私はできるだけ料金が確認できる回線を使っている。それでも1分2円程度だから本当に安いと思う。

日本に電話するときは必ずウェブで確認する必要があるが、大した煩わしさではないし、むしろそうしないと、昨日安かった回線が今日はとても高くなっているという場合もあるからだ。安い回線でかけた電話料金はドイツテレコムから自動的に請求される。

私はドイツテレコムが好きではないのだが、何となくそのまま使っている。何年か前に契約を変更し、現在はインターネットへの接続と、ドイツ国内の固定電話への通話料が無料になっている。つまり基本料金を払っているだけだ。

それ以来、毎月の領収書が届かなくなった。国際電話や携帯電話への料金は基本料金に上乗せされるので、その額を知りたいとは思うが、国際電話や携帯への電話料金など、本当に僅かな額だから、銀行口座からの引き落とし額で確認している。

最近はスカイプを使うことが多いので、日本へ電話することは少なくなったが、電話料金を気にせず話ができるというのは本当に便利だ。1分2円だとして、3時間話しても360円。無料とはいえないが、もうただみたいな感覚だ。

それを考えると、日本の電話料金は国内外への通話を問わず高過ぎる。私の嫌いなドイツテレコムを見習って、日本国内の固定電話同士の通話は無料にしてもらいたいくらいだ。それが難しいのなら、通話距離に応じた料金設定というのを撤廃してもらいたい。

日本の電話料金を少し調べてみたら、相変わらず、区域内と区域隣接、20kmまで、20kmを超え60kmまで、などと分かれている。細かく分ける方が無駄な気がするのは私だけだろうか。何だか電話が普及し始めた頃と何も変わっていない気がする。

今日は元旦ということで、今年一年の抱負や目標、あるいは楽しい話題を書こうかと思ったけれど、いつの間にか電話料金の話になってしまった(すみません/苦笑)。

気がつけば21世紀も2010年代に入った。固定電話が携帯に取って代わられ、いまや無線LANがあれば、iPhoneでスカイプができる時代だ。国境など関係なく、世界中の人と無料で話せるだけでなく、互いの映像を見て話をすることさえ可能だ。

これまで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、そして当たり前ではなかったことが普通にできたりする。つまり情報を発信する報道機関や、情報交換の手段を提供してきた通信の世界というのは、大きく変わろうとしているように感じられる。

そんなことを考えると、自分は全然変化していないし、変化にもついて行けていないかもしれない(笑)。もっとも、無理をして変化する必要はないのかもしれないけれど、着実に変わりながら、それを享受できる余裕も欲しいと思っている。

皆さんにとりまして、良き一年になりますように。
 
 
加筆訂正:2010年1月18日

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