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還流独歩

時間表記再考 2010.03.22

昨年の11月に、私はアメリカ式のam/pmを使う時間表記が嫌いだという内容のことを書いた。だから普段から、いろいろなところで見かける時間の書き方が気になっている。この間、近くのお寿司屋さんの前を通ったとき、営業時間を書いた看板が目に留まった。そこには、次のように書かれていた。

営業時間
AM 11:00 – PM 14:00
AM 17:00 – PM 22:00

これを間違いと言うべきだろうか。いや正確に言うと正しくはないし、am/pmを大文字で書いているのも気にかかるが、誰も時間を間違えたりはしないという楽観的思考回路を優先して働かせると、何の問題もないと言っても良いと思う。では、この看板を次のように書き換えてみる。

営業時間
午前 11:00 – 午後 14:00
午後 17:00 – 午後 22:00

何だか余計にわかりづらい。当たり前のことだけれど、要は24時間表記を使えば、amもpmも、午前も午後も不要だということなのだ。

そこで私はまた考えた。デジタル時計では24時間表記でも問題ないのに、アナログ時計が24時間制になったら大変かもしれない。もしそんな時計があったら、6時を示すときの短針は3時の位置に来て、12時のときは6時のところに来ることになる。18時は9時の位置だ。1分は60秒で変わらないから、長針が1分で一回りするのは同じだけれど、短針は1時間で15度しか進まないことになる。

そうなると、時間の動きが読み取りづらくなるだろう。しかも、3時かと思ったら、実際は6時だし、長針と短針が一直線に並んでいるから6時かと思いきや、それは12時だったりするわけだ。そして長針と短針がぴったり重なり合うのは1日1回、24時のときだけになる。そんな時計があったら、子供のときからの慣れの問題だと簡単に割り切ることはできないくらいの混乱が生じるだろう。

1日は24時間なのに、時計は12時間で示すというのは、単純に昼と夜を分けて考えたことが背景にあると思われるのに、昼の12時を境に、am/午前とpm/午後に分けるのも何だか変に思えてきた。でもそれは深夜の0時に日付が変わることと関係があるわけだから、何となく変に感じつつも、微妙に納得したりしてしまうのだった。時間というのは実に不思議な概念である。

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