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還流独歩

水泳談義 その4 2010.04.08

今日も水泳の話題です。

北海道出身の人のほとんどが泳げないのではないかと私は勝手に思っている。小学校でも中学校でも水泳の時間はあったし、夏にはプールに行く機会も多かったけれど、私の周りには競泳が得意だという子供はいなかった。北海道ではむしろ、スキーやスケートといった冬のスポーツに力を入れる環境が整っている方が普通だから、平泳ぎはできても、クロールの息継ぎができないまま私は大きくなった。

小学校に入りたての頃だったろうか。帯広に住んでいた私は、母親の勧めでスケート教室に通うことになり、無事修了することができた。気を良くした母は、夏に開講した水泳教室にも通わせてくれたのだが、ある日、ビート板につかまって泳いでいるのに溺れかけてしまい、指導員の人に助けられた恥ずかしい経験をしたことがあった。私は幼心に泳ぎに行くのが嫌になった。

それ以来、水泳には何となく抵抗があり、クロールの息継ぎができないことにも微妙な劣等感を感じていた。しかも学生の頃、プールに行き、クロールの練習をしていたら、一緒に行った人に「溺れているみたいだ」と言われてしまったことが原因で、もはや泳げるようになりたいという気持ちは失せていった。

それがどうしたことか、いまでは毎回1500mを泳ぐことができるようになった。いつだったか、ケルンのプールで開催された水泳マラソンでは5200mを泳ぎ、証明書と「金色の」メダルをもらったこともある(笑)。子供の頃から引きずっていた小さな劣等感はもはやないし、水泳は私の生活の一部にもなってしまった。

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