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還流独歩

道路の渡り方 2010.06.30

子供の頃、道路を渡るときには、「右を見て、左を見て、もう一度右を見て」と教わった。多分、それはいまの子供たちもきっと同じように言われているはずだ。こういった子供の頃に教え込まれたことは、大人になっても簡単には失われないようだ。

というのは、ドイツは右側通行だから、最初に左を見て、そして右を見て、もう一度左を見なければならないのだが、それは頭でわかっていても、道路を渡るときは無意識にうちに、最初に右を見てしまうことが、いまでも何度となくある。そして、先に左を見るんだったと思い返しつつ、結局、右、左、右、左と4回も確認してしまうことになる。

車は急に止まれない。だから何度も確認して良いと思うのだが、右を見てしまったとき、子供の頃に教え込まれたことが、いまになっても身に染み付いたままになっていることに、ほんの一瞬、愕然としたりするのである。

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