理念 建築 略歴 連絡
文章 視察 還流独歩 大福企画
還流独歩

冷房と凝縮水 その2 2010.07.08

その1からの続きです。

冷房設備からの凝縮水を垂れ流しのすることがもったいないといっても、飲用には絶対にできないし、かといって、とても汚いかというと実はそれほどでもないと思う。そこで、凝縮水をガラスの容器に入れて良く見てみた。少し泡がみられるものの、ごみが浮かんでいるとか、透明度が極端に低いということはない。実際には汚いのかもしれないが、凝縮水は意外と奇麗だとも言われているから、そう思うと特に嫌悪感はない。

ついでに温度も測ってみた。触ると冷たいので18℃くらいかと思ったが、外気温も測れるセンサーを入れてみたら24℃だった。そして、その温度は次第に下がって21℃になった。冷房設備から吹き出される風の温度は、通常16℃前後だから、発生する凝縮水も同じくらいの温度のはずだが、排水管の中を流れるうちに温められることは十分に考えられる。実際、事務所の排水管は外気に露出しているので、長さが僅か2m程度とはいえ、5℃近くも高くなったようだ。

仮に20℃の凝縮水が出るとして、この中途半端な温度を持つ水をどのようにして使うかというのは難しい問題だ。何かを冷やすためには温度が高いし、量的にもそれほど多くはない。大規模な事務所建築だと、それなりの量が期待できるかもしれないが、冷房装置からの凝縮水を、お手洗いの洗浄に使っているという話は聞いたことがない。例えば、雨水や中水の利用は数多く試みられてきたが、冷房からの凝縮水は基本的に夏期しか得られないという問題がある。

可能性としては、植栽への散水とか、あるいは打ち水用に溜めておくということが考えられるだろうか。ただその使用法も、おそらく節水に貢献するということではなく、むしろ副次的な目的に使用することになるのかもしれない。ここにこんなことを書くと、誰かが素敵な案を考えついてしまうかもしれないけれど、むしろ何か面白いことを閃いたら一緒に取り組みたいとも思っています。

« »