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ご飯のお供 その2 2010.10.08

中華食材店に行けば、怪しい漬け物などを売っている。ほとんど買ったことはないのだが、ご飯のお供というのは、そういったちょっとしたものなのだ。ふりかけ、塩辛、納豆、お新香、味付け海苔、明太子、佃煮。他にもたくさんあるが、温かいご飯と、あとこれさえあれば十分な幸せ感を得られるその何かがドイツにはない。

日本の人を一括りにするつもりはないが、もし本当にお腹が空いていたら、ご飯とお新香、そして味噌汁があれば、大抵の人は満足するのではないだろうか。それは私の勝手な思い込みかもしれないが、ご飯は偉大だし、その付け合わせのお新香なども含めて、素晴らしい食文化だと私は素直に思う。それは単に日本人だからかもしれない。

パン食の文化にも、バターやマーガリン、そしてチーズやハム、ジャムといったものがあるのと同様に、ドイツにいても、ご飯のお供が欲しくなる。近くのスーパーに買物に行き、トマトとモッツェラチーズを買いながら、ご飯と一緒にすぐに食べられる何を探してみるが、見つかるわけがない。冷凍された鮭の切身は売っているが、それはおかずの範囲だ。

そんなことを嘆いても仕方がないし、ドイツの生活も多少は長いから何も問題はないのだが、ご飯だけ炊いたら、あとは冷蔵庫からこれだけ出せば満足感が得られるいうものがあると嬉しいと感じてしまう。その一方で、ハムとチーズを挟んだパンが急に食べたくなったりもするから不思議である。

ご飯とパン。どちらが優れた食べ物かの議論は置いとくとして、同じ穀物なのに、こんなにも違うというのは面白い。食文化の違いは、きっと考え方や思考回路にも関係しているのではないかと思っている。

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