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ルフトハンザの逆襲 その1 2010.10.14

逆襲といっても、ルフトハンザから個人的に何かものすごい攻撃を受けているわけではない。しかも何かひどい仕打ちを食らったということでもない。あるいは逆に、視察でお世話になっているから、ここでそのお礼を兼ねて、営業的なお手伝いをしようとしているわけでもない。むしろ、欧州内の移動には結構利用しているから、単なる顧客の一人に過ぎないのだが、先日、旅心をくすぐる面白いメールが届いたので紹介したい。

ところで、ルフトハンザドイツ航空は、世界中の航空会社の中でも旅客数が極めて多い巨大企業の一つである。そのルフトハンザから、定期的にメールでお知らせが来る。その内容は毎回、格安の航空券の情報が大半を占める。ドイツ国内はもとより、世界各国へ、いくらで乗せてくれるのか、たくさんの目的地と一緒に最低料金が示される。ドイツの各都市からローマへ99ユーロ、ニューヨークが499ユーロなどという価格が目を引く。

でも今回届いたお知らせは少し違っていた。最初の画面が、自分の予算に合わせて、どこまで行けるのかを教えてくれるようになっており、そこから次の画面に進むと、出発地、予算、旅行の日数を入れる項目が現れる。予算と旅行の長さの入力は簡単で、画面にある矢印を左右に動かすことで設定ができるからとても見やすいし楽だ。その額は、最低が100ユーロ(約1万1500円)で、最高が1899ユーロ(22万円弱)である。旅程も2日から30日まで入力できる。

試しに、出発地をケルン・ボン空港として、予算は最低の100ユーロ、日数を3日と入れてみると、ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ロンドン、パリ、ウィーンの6都市が表示された。いずれも80ユーロから100ユーロの範囲である。しかも地図上に、目的地と料金が示される。そこからさらに関心のある内容で絞り込みもできるようになっている。浜辺、ダイビング、ゴルフ、グルメ、自然、歴史、大都市、博物館、ショッピングといった項目が並ぶ。

ちなみに、最初に出てきた6都市から「浜辺」という項目を選ぶと、どれも消えてしまった。つまり、この6都市には「ビーチ」なるものが存在しないということである。確かにそうだ。そこで、各項目はそのまま全て選んだままにして、予算を一段階高い199ユーロにしてみた。テレビ番組なら「さて、ここで問題です。では、その都市は一体どこでしょうか」となるが、それは置いておいて、答えはバルセロナだった。バルセローナ。まだ行ったことがない。

バルセロナには、上記の8項目が全て揃っているらしい。急に行ってみたくなった。そこで、画面に出てきたバルセロナを選択すると、今度はいつの期間に、いくらで往復できるのかを示す棒グラフが出てきた。横軸が期間で、縦軸は料金だ。その期間で、もっとも安い料金は棒グラフが黄色になっている。実に憎い作戦だ。その8項目が全て揃った都市を探そうと、予算を480ユーロまで上げたら、スペインのアリカンテと、ヨルダンのアンマンが出てきた。

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