新造機で快適移動 その2 2010.10.20
私は飛行機に乗ったら、まず最初に歯ブラシセットをお願いする。携帯用の歯ブラシは持っているのだが、歯磨きの方は持ち歩いていない。ちなみにビジネスクラスのお手洗いには歯ブラシセットが置いてあるので問題ない。飲み物は、最初にビールとワインを一緒に頼むことが多い。そうするとプラスチックのカップを二つ出してくれる。一つはビール用で、もう一つはワイン用に決まっているのだが、ワイン用の方は座席の前の物入れに入れておくと、最初に飲んだビールの空き缶をその中に置いておけるので便利だ。長時間の移動のときにはこういった実に下らないことが楽しい。
新造機で快適移動と書きながら、実は報告することはそれほどない。全席通路側を実現した新しいビジネスクラス席は確かに格好良くまとまっているが、今回はビジネスクラスに乗れなかったので特に書くことがない。エコノミー席は奇麗だし、座席の前のモニターも大き過ぎるくらい見やすい。しかもその脇にコントローラーが埋込まれているので操作も簡単である。座席の前後の間隔も少し広がったらしいのだが、実のところあまり良くわからなかった。もっとも、リクライニングにしても座席の背は固定されたままなので、前の人の背もたれが倒れてこないのは快適だと思う。
あとは各座席に電源が設けられたことであろうか。これは飛行中も電池の残量を気にしなくてすむので便利な機能だ。ただ今回、さっそく試しているのに、いつまでたっても電気が供給されないので、念のため欧州用のプラグに差し替えてみたらうまくいった。壊れていると決めつけないで、何でも試してみることが必要である。その他には、iPodコネクターとUSB接続端子がついていて、手持ちの音楽や写真を座席画面で再生することができるらしい。でも、私の廻りでは使っている人は一人もいなかった。
ところで、最初の食事は二種類あって、一つは海鮮焼きそばと、もう一つは鶏肉の何とか風だった。焼きそばは450kcalくらいで、鶏肉は倍の850kcalくらいあったので、となりのドイツ人と顔を見合わせて笑ってしまった。私はフランクフルトでつくられた焼きそばの出来に対して、かなり懐疑的であったが、敢えて選んでみた。食べたらやっぱり止めておけば良かったと思った。食事にはあまり文句をつけない私だが、フランクフルト製の焼きそばは、これ以上は絶対に伸びきれませんという感じの歯応えのまったくない、とてもだらしない焼きそばだった。しかも味が薄かったから、塩と胡椒をかけて何とか全部食べ切った。
11時間の飛行は順調に過ぎ、飛行機は定刻通り成田空港に着いた。今回は、このまま千歳空港に向かう。成田−千歳空港間の運賃は、フランクフルトから東京への国際便の料金に含まれているから、一区間分を無料で移動できることになる。飛行機へはバスで移動である。車内に入ってから気がついたのだが、日本の人と思えるような顔つきの人が何人も流暢な英語を話している。一体どこから来たのだろうか。もしかしたらシンガポールかもしれないと考えた。日本の人が成田空港から千歳に向かうよりも、意外と海外からの人が多いのかもしれない。
千歳空港に着いて荷物を受取りにいったら、周りの日本人風の人が皆、英語を話しているので、一人の女性に尋ねてみたら、カリフォルニアから来たという。隣りの年配の女性も日本の人のように見えて、多分アメリカの人なのだろう。私はカリフォルニアには行ったことがないからわからないし、単に知らないだけなのかもしれないが、日本から入植した人も多いのだろうか。あるいは中国系の人なのかもしれない。その女性は、今日から北海道を中心に10日間ほど旅行をするという。アメリカから北海道へ観光とは、あまり考えたかことがなかったけれど、北海道はアメリカの人にとっても密かな人気なのかもしれない。
千歳空港に着いた荷物は、もの凄く冷たい状態で出てきた。これから電車とバスを乗り継ぐ1時間近い移動である。成田空港の中は生暖かく、長袖を着ていたら汗をかいてしまったが、北海道は気温が低いから、同じ格好だと寒いくらいである。最寄駅からバスに乗ろうと思ったが、田舎なので次のバスまで45分も待つことになった。どうしようか悩んだあげく、結局タクシーに乗ってしまった。東京にいるときは、飲んで終電を逃してしまったときなど気安くタクシーを使ってしまうのに、こういうときに悩んでしまうのが情けない。それはともかく23時間近い移動が無事終わった。
加筆訂正:2010年11月10日(水)