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還流独歩

打合せで忘れ物 2010.11.04

午後、札幌で窓周りの打合せを行う。今回の設計では、ヘーベシーベという横引きができる大きな開口部を採用した。他の開口部については、前回の打合せで細部の納まりが明確になったものの、大きな可動式のこの窓については、私自身もどのようにしたら良いのか、いま一つわからない部分があった。

それでも打合せを進める中で、徐々にだが柱との取合い部分や断熱材の納めなどが具体的に見えてきた。しかも、窓上部を支える横架材の幅が予想以上に大きく、そのすぐ脇の吹抜けにある階段の手すりとの距離が僅か5mmしかないことも判明した。開口部を先に施工するので、現場の状況を確認してから、階段を50mmほどずらすことになりそうだ。

打合せを無事終えて、移動しているときに携帯電話が鳴った。信号で止まっているときに確認したら、「三角スケールを忘れてますよ」という連絡だった。三角スケールを知らない人はいないと思うが、念のために説明すると、縮小された図面の寸法を計る定規のことで、断面が三角形をしているから、そう呼ばれている。

実は何本か持っているが、今回は一本しか持って来ていないので、単なる定規とはいえどもないと困るのである。すでに20分以上も走ったのに、やむを得ず戻ることにした。こういう出戻りというのは実に憂鬱だ。三角スケールを受け取って一日が終わる。

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