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還流独歩

昼休みの時間 2010.11.08

日本の会社の昼休み時間は、そのほとんどが12時から13時までだと思う。お客さんを相手にするような業種であれば、休みは分散して取るだろうし、小規模な会社であれば、ある程度の融通は認められることもあるだろう。あるいは超多忙な情報関連の会社では、お昼休みなどないというところもあるかもしれないが、大方の会社は、昼の休憩時間を12時からとしているはずだ。

一方、ドイツのお昼休みは13時からというところが大半である。その理由は良くわからないが、ドイツは始業開始が早いから、正午になる前の10時半くらいに、軽い食事休憩を取ることが多いようだ。そうなると、昼休みは必然的に遅くなる。例えば、8時に出社して18時に帰宅する場合、昼ご飯までが5時間で、午後は4時間勤務となる。ドイツの人は、朝ご飯を軽めに済ませる人が多いようだから、午前中におやつの時間をつくると、仕事の時間は程よい配分になる。

私は個人的に、日本の12時からの昼休みは早過ぎるのではないかと考えていた。9時が始業開始の場合、お昼までは3時間しかないし、午後は1時からだとすると、夕方6時まで5時間ある。だからこそ逆に、その合間におやつの時間を取るというは理にかなっている。それに日本は、特に大都市だと通勤時間が長いから、朝ご飯を7時に食べると昼まで5時間近くある。そう考えると昼休みが12時からというのも決しておかしくはない。

そもそも日本だって、仕事を始める時間は結構早かったのではないかと思う。昼の休憩は12時からで、「八つ」の時間に少し休憩を取る。そのときに軽く食べるのが「おやつ」だ。ドイツの人も午後におやつの時間を取ることだってあるが、お昼までの間に軽い休憩時間を挟むというのも理解できる。要は、お昼を早めに取って午後に小休憩するか、午前中に休みを入れた分だけ昼を遅らせて、それ以降は夕方まで働くかの違いだろう。

ドイツのカッセルにある事務所にいたとき、11時頃に所員が全員、立食でお昼ごはんを食べるのが通例で、昼休みは14時からだった。昼の休憩といっても、どちらかというとおやつの時間のようなもので、そのうちの一人は、いつものカフェでバナナパフェを注文するのを喜びとしていた。当時の私は、昼にバナナパフェを食べるというのはどうにも理解できなかったが、いまにして思えばそれも受け入れられる自分がいる。

昼休みの時間一つとっても、いろいろな違いがあって面白いと思うのである。

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