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水泳教室に行ったら、25mのタイムを計るという。泳ぎは何でも良いが、クロールの場合は息継ぎなしで泳ぎ切るくらいの勢いがないとだめらしい。時間を計るといっても別に緊張するほどではないが、小学生のときに、先生から予告なしに「これから漢字の小テストをします」と言われたときのような微妙な動揺を感じたりする。小心者。

順番が回って来て、私はいままでの人生の中で、一番力を入れて泳いだ。23秒27だった。先生は、腕の動きがまだまだ遅いので、もっとがむしゃらに泳ぐようにと言う。教室に参加している方の助言では、腕を強引に振り回す感じで良いらしい。そして二回目は、もう本当に、これ以上は早くは回せませんというくらい腕の回転数を上げた。19秒07であった。

自由形の100mの世界記録が47秒である。25mを19秒のままの速度を維持し、しかも息継ぎをしないままで100mを泳ぐことができたとしたら、4倍して76秒となる。いや、わかりやすくするために、逆に世界記録の47秒を4で割ると25mが12秒弱だ。私と世界記録の差は7秒である。世界記録は偉大で遠い。そして腕がとてもだるい。