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還流独歩

ショールーム巡り 2010.11.14

午後、新宿にある衛生機器メーカーのショールームを二つ見て回った。洗面台の使い勝手の確認と、システムバスの仕様を見るためである。日曜ということもあってか、どちらにもたくさんの人が来ている。男女二人が浴槽の大きさを確かめたり、家族連れが係の人の説明を受けながら、いくつもある浴室を見ている。あるいはお風呂の改修という人もいるだろう。打合せ机はすべて埋まる盛況振りだ。

今回は打合せをすることもないので、勝手に見て、資料をいくつかもらって来ただけだったが、システムバスだけでも種類がたくさんあって、正直なところ私も良くわからなくなる。もちろん基本の組合わせがあるのだが、そこから変更できるものが数多くあるから、こうなると、たくさんあるというよりか、あり過ぎだろう。でも、あれもこれも選びきれないくらいの選択肢があるくらいの方が、顧客の満足度が高くなるのかもしれないと思う。

少し視点が変わるが、自動販売機にも、コンビニエンスストアの陳列棚にも、本当にたくさんの清涼飲料水が並んでいる。いつも思うのだが、種類をたくさんつくると、それだけ費用もかかるはずだ。でも種類が少ないと、今度は売上が下がるのかもしれない。たくさんの中から、ある一つのものを選び出させることが、企業の収益につながるとしたら、何だか矛盾している気もする。

そうはいうものの、八百屋さんだって、魚屋さんだって、店頭には常にたくさん並べている。売れて数が少なくなればすぐ補充する。それは店頭にある商品がわずかだと、逆に売れなくなるからだ。一杯並んでいる方が購買意欲が高まるらしい。システムバスの選択もそれと同じなのだろうか。あるいはもしかして、日本の人は選びきれないほどの中から、一つに決めることに喜びを感じたりするのかもしれないと思ったりするのである。

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