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還流独歩

灰色の12月 2010.12.16

連日のように朝から灰色の雲が空を覆っている。今朝の最低気温は氷点下10℃だったらしい。夕べから暖房を弱くつけているが、少し寒く感じられたのはそのせいかもしれない。9時前から先日の視察のまとめや資料の整理をしたり、日本に電話を何本かかけているだけで、すぐに昼になってしまった。

午後から雪がまた本格的に降り始めた。天気予報を見ると、ドイツの北半分が雪雲に覆われているようだ。夕方、所用で近くに出かけた。思った以上に雪が積もっている。といっても10cmくらいだから、それほどでもないと思うのだが、ドイツに限らず欧州は東京と同じで雪には意外と弱いのである。

買い物から帰ると、隣りの集合住宅の1階に住む年配の女性が歩道の雪かきをしていた。「あんたのところは雪かきしないのかい」と嫌みのようなことを言われたので、共用の地下室に雪はね用のスコップらしきものを探しに行ったが何もない。今年の冬には何度か使ったのがあったのだが、どうやら大家さんが持って行ってしまったようだ。

12月に入ってから太陽を見たのは、延べ数十分くらいだろうか。大袈裟でも何でもなく事実である。影ができるような明るいときも何度かあったが、そんな天候は一向に長続きはしないから、晴れたと思っても、気がつけばどこからか灰色の雲が流れて来てしまい、冬の青い空はいつの間にか見えなくなってしまう。

以前にも書いたが、ドイツに来た頃は、この天気が辛かったけれど、いまはそれほどでもなくなった。なぜだかはわからない。気持ちに少し余裕ができたのかもしれないし、むしろその逆で、天気など気にしていられなくなったのかもしれない。明日も同じ天候が続くようだけれど、作業をしたり、いろいろなことを考えるには都合の良い季節だと思いたい。

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