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還流独歩

新春湯巡り その2 2011.01.02

朝から書類や資料、デジタルカメラで撮影した写真の整理をする。紙媒体にしても、磁気媒体にしても、一旦、溜め込んでしまうと、どうしてこうも上手くまとめられないのだろう。しかも時間がやけにかかる。日々の整理整頓の大切さを再認識しつつ、時間が足早に過ぎて行く。それでも少しは片付いたので、気持が軽くなった。

そして遅めの夕方に、今日も都内の湯巡りに出かけた。私が選んだ本日の銭湯は、谷中にある「朝日湯」さんだ。住所は台東区だが、最寄駅は地下鉄千代田線の千駄木駅になる。昨日は「えびす湯」さんで、今日は「朝日湯」さんだから、新年にふさわしい流れで、まさに言うことなしである。

初めて行く銭湯だから何の先入観もないが、インターネットが開設されているので、だいたいの様子は頭に入れてから出かけた。そして実際に行ってみたら、ものすごく混んでいる銭湯であることがわかった。通常は深夜1時半まで営業しているのだが、元旦と二日は20時までなので、今日はそのせいなのかもしれない。

それにしても、こんなに人が入っているお風呂屋さんに来たのは本当に久しぶりのような気がする。カランは全部で21台あるが、空いているのは僅かしかない。浴槽は三つあるのに、どれにも4人くらいは入っていて、試しに数えたら、洗い場にいる人も含めて全部で18人だった。入れ替りも激しく、混雑している状態がずっと続いた。

今日は特別なのかもしれないが、活気があり過ぎるというのも逆に落ち着かない。湯船につかっていても、浴槽の縁に腰掛けている人が目の前にいるのは少々圧迫感があるし、ラベンダー湯に魅力を感じつつも、常に4人くらいが入っていて隙間もない。でもこれは、初めて来た私も喜ぶべきことだろう。文句を言うなど失礼である。

この朝日湯さんには定休日がない。平日は午後1時から深夜1時半までの営業で、日曜は朝10時から深夜0時半まで開けている。おそらく都内の銭湯でも、休みがなく、毎日の営業時間が12時間を越えるところは、極めて限られるのではないだろうか。ほとんどの家に内風呂があるご時世で、これは都から表彰されても良いのではないかとさえ思う。

このサイトも「銭湯紀行」という名前に改めるべきかもしれないが、偉そうなことを敢えて言わせてもらうと、私は長く慣れ親しんだものや、歴史ある建物を次の世代に継承して行くことが、文化というものを創造して行くに違いないと感じているから、多くの銭湯が末永く存続して欲しいと願っているし、機会があれば、それらを少しでも支えたいと思っている。

この時期、気持も身体も温めてもらえる銭湯は実に有難い存在だ。地元の人だけでなく、多くの人たちが、その良さや楽しさを再認識することができれば、お風呂屋さんの減少にもきっと歯止めがかかるし、地域への貢献度もさらに上がるのではないかと実に勝手なことを考えさせてもらった新年二日目であった。
 
▽連結
朝日湯:台東区谷中 2-18-7

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