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還流独歩

育児休暇 2011.03.17

昼過ぎ、建築家の友人が二歳の男の子を連れて遊びに来た。男性だが、育児休暇を取得しており、毎週、水曜か木曜に一日休みを取ることができる。私は終わらせたい作業がたくさんあるので、正直なところ断ろうかと思ったが、日本のこともいろいろと話せるので、一緒に昼ご飯をつくって食べることにした。

週に一回とはいえ、朝から夕方まで子供の面倒を見続けるというのは実に大変なことなのだろう。一日中、家にいても時間を持て余してしまうから、気分転換に私のところへ来たくなるという気持も理解できる。それなりに準備は必要だが、子供も外に出たいだろうし、そうしないと気が滅入ってしまうのかもしれない。

それにしても、子供というのは高いところに上がることに対し、執拗な興味を示すものだ。狭い部屋だが、寝室を兼ねた小さなロフトへの急な階段を勝手に上がって行く。その度に引きずり下ろすのだが納得しない。落ちないように注意しながら上らせつつ、上から見下ろす相手などをしていると時間はあっという間に過ぎて行く。

他にも食事中に、ほんの些細な動きのはずみでグラスを割られてしまったが、そんなことは何の気にもならない。食べこぼしも気持を大きくして見守ってあげよう。子供というのはそんなものだ。食べ終われば、またすぐに階段を上ろうとするので、大きなスーツケースを置いて階段をふさぎ、今日は閉店だというと、妙に納得してくれた。

唯一、気が休まるのは子供が寝ているときだけという話を聞くが、確かにその通りだと思う。友人が時折見せる疲労感にそれが現れている。二人が帰ったら、私も少し疲れてしまったが、日本のこともいろいろ話せたし、気分転換にもなった。季節も良くなって来たから、今度、遊びに来たときには散歩にでも出てみようと思う。

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