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ドイツ語の21から99 その2 2011.07.04

であれば、21は「1、20」と言えば良いはずだが、99までは、その間に英語の「and」にあたる「und/ウント」が入る。「ウント」を入れずに、例えば単純に「3、90」と言うと、3ユーロ90セントと言う意味になって、会話が通じなくなる。ドイツ語では、お金を扱う場合、ユーロと言うのを省くことが多い。93は「3、90」ではなく、あくまでも「3と90」と言わなければならない。実に面倒な言語だ。

その点、日本語は実に単純であり明快である。11は「じゅう、いち」、23は「に、じゅう、さん」という言うだけで驚くべき変化は何もない。269は頭から順に「に、ひゃく、ろく、じゅう、きゅう」と言えば良いだけだ。つまり覚えるのは、1から10までと、あとは100、1000の単位だけである。私は中国語と韓国語はわからないが、調べたらどうも同じようだ。これは素晴らしい数え方である。

そんなことを気に始めると、いろいろな言語の数詞に関心が出て来るが、その点、フランス語も実に個性的である。良く知られているように、75は「60+15」だし、80は「4(×)20」だ。92は「4(×)20+12」となる。数字というのは、日常生活に密着したものだから、その表現方法というのは実に大切になると思う。特に欧州の言語はダースの考え方も残っているから、12まで変則だったりする。

ともかく、古い言語に含まれるであろうドイツ語における、21から99までの数字は、いまも1の位から言うのは変わりないわけで、しかも今回は10の位の数字も、1の位を先に言って、その後ろに10を付けるということに改めて気づいてしまった。だから、今日の標題は「ドイツ語の13から99」と書き直した方が良いのかもしれないが、その辺はあまり難しく考えないようにしよう。

それにしても、1の位から考える思考回路というのは、一体どうなっているのだろうか。足し算とか引き算の場合、頭はどのように動くものなのだろうか。ドイツ語で考える計算は、例えば「52+73」の場合、「2と50+3と70」と考えるわけだから、特に暗算をする場合には、もはやドイツ語では絶対にできない。個数を数えるくらいならドイツ語でも可能だが、頭の中での計算は、やはり日本語に頼らざるを得ないのである。

結局のところ、ドイツ語を習い始めたときの衝撃は、いまも引きずっていて、相変わらず二桁の数字には困惑させられるのである。

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