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還流独歩

箱根で国際交流 2011.08.16

8月5日(金)にドイツから友人家族が東京にやって来た。彼らは東京に住む共通の友人宅に一週間ほど滞在するというので、着いた次の日に会いに行った。そして東京を観光したあと箱根に移動し、そこでも一週間近くいるというので、東京の友人家族と一緒に一泊の予定で、昨日の15日(月)に箱根まで会いに行くことにした。先月下旬から、日本国内を移動しっ放しだし、気になる作業も滞ったままなので、かなり悩んだものの、会う時間も短かったから、こうなったら行くしかないだろう。

渋滞する中央道を避けて国道20号を相模湖まで行く。待合せ場所は「彫刻の森美術館」だ。今回初めて訪れる。箱根というのは、日本の中でも有数の観光地の一つだし、首都圏にも近いから、すぐにでも行けそうなものなのだが、近過ぎてその有難みがないという贅沢な我が侭があって、ほとんど訪れたことがないのである。芦ノ湖を見たのも、一回あっただろうか。もう行ったことがあるのかどうかさえ記憶の引出しには入っていない場所なのだ。

現地には昼過ぎに着いた。お盆ということもあってか、かなり混んでいる。ドイツ人家族はサッカー好きの8歳の男の子と、やんちゃな6歳の女の子がいて、東京の友人家族には、まもなく3歳になる男の子がいるから、屋外に展示された彫刻を楽しむというより、遊具で遊ぶ子供たちが中心である。天気も良く、申し分のない日になった。午後から閉館間際まで、遊び回る子供たちを見ながら、ゆったりとした時間を過ごさせてもらった。

宿泊場所は仙石原の近くにある海外からの観光客を多く受け入れている宿である。東京の友人家族の好意で、同じ和室の部屋に入れてもらった。温泉を引いているお風呂で汗を流してから、バスで数分のところにある定食屋さんに出かける。量が多く、久しぶりに動きが鈍くなるほど、満腹になるまで食べた。帰りは歩きである。昼間は暑いけれども、標高が高いせいか、日が暮れると半袖では少し涼し感じる。でも、それがまた心地良いくらいの気温である。

そのあと、持参した日本酒と焼酎を部屋で飲みながら、ゆるい語らいの時間を過ごす。ドイツから来た家族だが、父親がドイツ人で、母親はフランス人である。東京の友人夫妻はフランス語ができるので、フランス語での会話が中心だが、それを聞いているのも心地良い。時折、ドイツ語で説明してくれるのだが、お腹が一杯なのと、気持の良い酔い加減のため、フランス語だけでも何だかわかった気になってしまうのである。

彼らの子供たちは、ドイツ語もフランス語も、どちらも流暢に話す。学校に通っているから、語彙や表現力はドイツ語の方が厚みがあるようだが、家庭ではフランス語が中心のようなので、もはや二つの言語を軽く使いこなしているし、私のドイツ語やフランス語の間違いを直してくれたりもした。二人とも活発で、異国の地にいることなど臆することもなく楽しんでいる。そんな彼らとの半日はあっという間に過ぎて行った。

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