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還流独歩

雨漏れ警報発令中 2011.09.03

動きの遅い台風がやって来て、東京も不安定な天候が続いている。空は晴れているのに、雨が一気に降り出したかと思えば、10分後くらいには、また陽射しが戻って来るという実に落ち着きのない天気である。それでもすぐに止むことが多いから、傘がないまま外出していても、雨宿りをすれば、また外に出られるような状況だろう。

夜9時過ぎ、また強烈な雨が降り出した。外を見上げると、青空が少し見えているのに大粒の雨が、まさにシャワーのように降って来る。そこで気になるのが雨漏りだ。何度か書いて来たように、ここは雨漏りがする空間である。ただ、北側から降る雨が長く続く場合に限られるものの、先日も一度、少しだけ雨漏りしたので、今夜も要注意である。

土砂降りの雨は10分ほど続いただろうか。雨漏りするときは、最初に剥き出しコンクリートの表面が濡れ始め、しばらくすると水滴が落ちて来る。天井を見上げても、まだ湿っぽくなったりはしていないが、その真下にはプリンターがあるので気をつけなければならない。前回は油断していたら、その上に置いてあった書類に漏れた雨水がかかってしまった。

建物というのは雨漏りしてはいけないものだと言われている。雨漏りというのは一旦始まってしまうと、その経路を突き止めるのは意外と難しいから、雨水が室内に入り込まないような設計を行ことは極めて大切だ。でも、施工にしたって絶対に間違いがないとは言い切れない。この建物は築47年だから、老朽化が原因ということもあるだろう。

たまに雨漏りがするからといって、それがやけに不快に感じたことなどない。いまどき雨漏りするなんて、あまり聞かない話だが、味方を変えれば楽しいことではないだろうか。建築環境学とは、外とのつながりが大切だと普段から言っているのだから、天井から落ちて来る水滴も優しく迎え入れてみよう。

床に置いたバケツに落ちる雨音だって心地良く聞こえて来る!とまでは言い切れないけれども、これから台風がいくつかやって来るかもしれないので、ともかく雨漏りには気をつけることにしよう。雨漏りは、気になりつつも、それほどひどくなければ一つの娯楽のようなものだということにしておこう。

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