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還流独歩

ポツダム最高 その1 2011.10.23

快晴の日曜日、ベルリン中央駅からポツダムへ向かう。かねてから、一度は行ってみたいと思っていた街だったが、なかなか行く機会がなく、今回、初めて訪れることになった。でも、知っていることといえば、ポツダム宣言とサンスーシー宮殿くらいで、他には何の予備知識もない状態で出かけた。

ベルリン中央駅からポツダムまでは、地域間快速電車で30分の距離である。朝の気温は0℃までは行かないが、それに近いくらいまで冷え込んでいる。駅の中の観光案内所に行ってみると、ガラス扉に日曜は9時からと書いてあるのに、その脇に10時からに変更になったという貼り紙がある。仕方なく10分ほど待つ。

市内を周る始発の観光バスに乗って、最初にポツダム会談の舞台となった「ツェツィーリエンホフ」へ向かうことにした。バスはポツダム市内をゆっくりと抜けて行く。ルイーゼン広場から見える街並が朝日に輝いて美しい。赤煉瓦の住居が連なる「オランダ人街」というのがあることも今回、初めて知った。

バスは大きな湖に架かるグリーニッカー橋を渡り、そこで回転して、いま来た道を戻る。ポツダムが旧東ドイツに属していたことは知っていたが、街の東にあるこの橋が当時の東西ドイツの国境の一つであったということを初めて聞いた。だから湖の中か、その脇にベルリンの壁が存在していたらしい。

30分ほど走って、「ツェツィーリンホフ」の停留所で降りる。森の中を歩いて行くと、ポツダム宣言で有名な宮殿が現れた。普段は、こういった歴史的な建造物にはあまり興味がないのだが、ここは宮殿というより、人間味の雰囲気が残る巨大な屋敷であることがわかった。入口を探して歩くが、どうやら裏側に来てしまったようだ。

大雑把な感覚だが、屋敷の長手方向は100mはありそうだ。ホーエンツォレルン家の最後の皇太子であるヴィルヘルムが家族と住んでいたと案内書に書いてあるが、なぜにここまで大きいのか理解に苦しむ。館内で貸し出される音声案内を聞いたら、部屋数は170近くあるというが、ここが宮殿だと思えば、それくらいあってしかるべきなのだろう。

せっかくの機会なので、音声案内を聞きながら、公開されている部屋をゆっくりと見て行くが、壁に掲げられた同時の写真の説明などが詳し過ぎて、なかなか次に進めない。歴史の勉強にはなるものの、もう少し簡略した内容の方が頭に入る気がするのは私だけだろうか。結局、10か所の説明をすべて聞いてしまった。これだけで疲れた。

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