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還流独歩

ハロウィンと万聖節 2011.11.01

昨日の10月31日は「Reformationstag/レフォルマツィオンスターク」という「宗教改革記念日」で、ベルリンを除く旧東ドイツの5つの州が祝日であった。ケルンやデュッセルドルフ、ルール工業地帯のあるノルトライン・ヴェストファーレン州は普通の平日で、逆に今日が「Allerheiligen/アラーハイリゲン」と呼ばれる祝日である。日本語に訳すと「万聖節」とか「諸聖人の祝日」などと言われている。毎年、11月1日はドイツ南部と西部の5つの州が休みで、それ以外の州は平日である。このように、ドイツには州ごとによって祝日が異なる日が年に何日かある。

それにしても、宗教にからむ祝日は、どのような日なのか良くわからないことが多い。そこで今日が何の日かウェブサイトで調べたら「全ての聖者に祈りを捧げる日」と書いてある。毎年11月1日がその日にあたり、その前夜である10月31日がハロウィーンだそうだ。これから先はまさに受け売りだが、ケルト人の1年の終わりは10月31日だったそうで、この夜には亡くなった人が現世に現れたり、魔女や聖霊がよみがえる日だと考えられていたらしい。それから身を守るため、仮面をかぶったり仮装することにつながったようだ。

ハロウィンを盛大に祝うのはアメリカのようだが、ドイツでは、それほど根付いてはいない。もっとも最近でこそ、中身をくりぬいたカボチャなども街中で見かけるようになったし、仮装した子供たちに出会うこともあるが、ドイツの人たちの中にはほとんど浸透していないといって良いだろう。何でもアメリカの文化を取り入れるのが好きな日本では、宗教とは何の関係もなく大衆娯楽の一つとしてハロウィンが受け入れられている面があるようだが、個人的には何の関心もないし、気持的にも、どうも受け入れ難いと感じている。

日本は、そういった他国の文化を適度に取り入れて独自に変化させ、しかも応用することに抵抗がなく、すべての面において良い方向で享受できる国の一つだから、そんなに卑屈にならず、何でも楽しめば良いのではないかという向きもあるのかもしれないが、ハロウィンだけは、どうも好きになれないのである。もしかして日本の幼稚園などでは、秋の催し物の一つとして取り入れたりしているところがあるかもしれない。子供にとっては楽しいのだろうけれど、はたしてそういうことを押し付けて良いのだろうかと私は疑問を感じてしまう側の一人なのである。

加筆訂正:2011年11月8日(火)

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