プリマ・コローニアとケルシュビア その1 2011.11.25
8時半過ぎに大型のレンタカーを借りて、早めに駅前に向かう。10時半に到着予定の視察の皆さんをホームでお迎えしたいので、車をどこかに停めて駅に向かいたいのだが、ケルン市内の路上駐車場は、どこも争奪戦なので、なかなか見つからない。大聖堂の下にも駐車場はあるのだが、9人乗りの車は車高が高過ぎて入れないのである。何度か駅の周辺を回っているうちに、偶然にも、駅まで数分のところに一台分の空きがあったので、そこに駐車する。
予定通り駅で再会し、最初に大聖堂を見て頂いている間に、車を近くまで回しに行く。今日は、ここから8kmほど離れた新興住宅団地の一つである「プリマ・コローニア」を視察する。いろいろと調べていたら、ケルン郊外に新しい住居団地の開発が進んでおり、ここには地区の概要がわかるインフォセンターが併設されている。下見を兼ねて一度訪れてみると、しっかりとした感じのところだったし、視察を受け入れてくれそうなので、担当者と連絡を取ってみたところ、快諾を頂き、今日の訪問が実現したのである。
到着時間がほんの少し過ぎてしまったが、受付で担当の方の名前を告げると、飲み物が準備された会議室に通された。すでに二人の男性が待っていてくれる。ドイツでは、初めて会うにもかかわらず、こうして温かく迎えてくれることが実に多い。今回は案内役と通訳を仰せつかっているが、今日のこの状況を見ると、一瞬にして、この視察がうまく行くかどうかがわかってしまう。これまでの経験から、最初の出迎えの段階で、おおよそ見当がつくものなのだ。
最初に開発の経緯や、地区内の概要などの説明を受ける。ケルンの中心部は長年に亘って慢性的な住居不足に陥っており、すでに飽和状態であると同時に、市内の家賃はミュンヘンと並んでドイツ国内でも最も高いと言われている背景もあることから、ケルン市は郊外に約24,000戸を新たに確保する政策を打ち出している。そのうちの一つが、この住居団地である。また、幹線道路の役割や、学校や幼稚園、商業店舗の配置などについても詳しい説明を頂いた。
その次に、この地区内でパッシブハウスを手がけている「ケルナー・ホルツハウス」の方からも丁寧な話を聞かせて頂いた。こういった説明をしてもらえるのは本当に有難いことだ。当初は1時間半程度の予定であったが、後半には具体的な質問が相次ぎ、時間が次第になくなって行く。いつも思うのは、こちらの問いに対して明確な回答が返って来ないことが多々あることだ。子供の頃から議論をし尽くして来ているドイツ人の気性なのか、簡単な答えが得られることは実に少ないように思う。
▶ Prima Colonia/プリマ・コローニア
▶ Kölner Holzhaus/ケルナー・ホルツハウス
加筆訂正:2011年12月2日(金)