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還流独歩

学校開放日 その2 2011.11.28

各班の代表が、黒板の前に出て来て、鳥の羽と紙の羽の重さを書き込んで行く。一通り書き終わった段階で、先生が、重さの違う理由を子供たちに訊き始めると、次々と手が上がる。声が小さくて聞き取れないことが多かったが、「鳥の羽をよく見ると透けているが、紙は見通せないから、鳥の羽の方が軽い」と答えている子がいた。

他にも次々と意見が出る。「鳥の羽はとても細いけれど、紙にはそれがない」と言う子もいた。いずれにしろ、ほぼ正解だろう。それから実験がもう一つあり、鳥とウサギの頭蓋骨の重さを調べるものだった。どちらも同じくらいの大きさだが、量ってみるとウサギの頭部の方が重いことがわかる。なぜだろうか。

その問いに対しても、子供たちは自分の考えを明らかにして行く。「鳥はくちばししかないけれど、ウサギには歯がある」、「鳥とウサギの頭の形を比較すると、ウサギの方が複雑なつくりをしている」、「ウサギの頭の方が、骨が一杯詰まっている」、「鳥は飛べるから軽いけれど、ウサギは飛べない」。それぞれ面白い回答だ。

教室の周りには、授業を参観する親子が座って見ている。私の隣りには、来年からギムナジウムに通うと思われそうな子供と両親がいる。そんな風景を見ながら、おそらく自分が小学生のときにも、理科の時間に同じような授業を受けていたのかもしれないと想いを巡らしたが、恥ずかしながら、記憶の引出しがまったく開かない。

1限目の授業は40分くらいで終わり、2限目はドイツ語の授業を見学することにした。教室が良くわからないまま歩いていると、3人くらいの女の子が、「是非、うちのクラスの授業を見て下さい。二つに分かれて得点を競い合うので、面白いですよ」と言う。誘われるがままに教室に入ると、子供たちから盛大な拍手を受けてしまった。

授業の内容は、ドイツ語の文法だった。窓側と壁側の二つの班に分かれて、質問に答えるのだが、最初の班がが答えられないと、反対側の班に回答権が移るのである。全16問は4つの分野に別れており、さらにその中の質問が、50点、100点、200点、300点に分類されている。授業が始まってから、理解するまで少し時間を要した。

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