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還流独歩

学校開放日 その3 2011.11.29

結論から言うと、子供たちの声が小さくて、全体的に良くわからない部分も多かった。「現在形の文章を、過去形と過去分詞形に直しなさい」とか、「与格と対格が含まれる文章をつくりなさい」、「次の文章の中で、主語と述語、作為(使役)語がどれか答えなさい」。国語の授業のときに、こんな文法は習っただろうか?

結果は窓側の班が勝った。ただ、誘ってくれた女の子には失礼だが、英語の授業を聞いた方が面白かったかもしれない。でも普段は、こういった場に来ることはないから、子供たちのしぐさや、発表の仕方を見るのは貴重な機会である。積極的に発言する子もいれば、退屈そうにしている子もいる。それはどこも同じなのだろう。

授業を見学し終えて1階へ降りると、今度は中学生くらいの女の子がやって来た。「世界の人権について知ってほしいことがあるのです。資料を渡しますから興味があったら是非来て下さい」。パンフレットにはアムネスティと書かれている。この組織のことはよくわからないが、急に難しい話題を振られて目眩がしたと同時に、何だか自分の不勉強さが少し恥ずかしくなった。

日本の中学校で、人権といったことは、どれくらい教えているものなのだろうか。インターネットを使ってほんの少しだけ調べてみたら、そういった取組みを行なっている中学校は、それなりにあるようだ。自分のときはどうだったろうか。まったく想い出せないし、いまも人権について真剣に考えたことがあるだろうか。

最後の授業参観は音楽である。友人の子供がキーボードを演奏するというので音楽室へ見に行ったら、全部で30人くらいの子供がいる。基本編成は、ドラム、サックス、ギター、キーボードで、それぞれ6、7名ずつだろうか。ボーカルは女の子が数名で、ドラムとベースには、他の先生も加わっている。聞くところによると、6週間前に始めたそうだ。

ドラムから始まった曲は、緩急をつけながら、気持の良い旋律で進んで行く。あいにく曲名がわからず、しかも1曲で終わってしまったが、それでも十分に楽しむことができた。彼らの進歩に拍手を送ろう。普段はあまり写真を撮らないドイツ人も、曲を披露している間は、さかんにカメラを向けていたのが可笑しかった。こうして3時間程度の見学は終わった。

今日は、ここ数日の疲れが残ったままだったが、楽しくて貴重な体験をすることができた。感謝である

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