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還流独歩

師走東京 その1 2011.12.22

昨日の21(水)にドイツを発ち、今朝、東京に着いた。気がつけば、今日は冬至である。

今回の移動も、ほぼ問題はなかったが、唯一の汚点は、預け荷物が、また重量超過の30kgになってしまったことである。荷物を預けるところには男性しかいなかったので、スーツケースが27kgありそうな予感がしていた私は、これで何とかなると思ったのも束の間、私の番になると、なぜか全員が女性に交替してしまい、結局、荷物が規定よりも重いと指摘されてしまったのだ。多分、男性でも同じ状況になったかもしれないのだが、男性だと見逃してくれたかもしれないという淡い願望が心の片隅にうごめいてしまった。ともかく、前々回の件があるので、今回は素直に従うことにした。

重そうな資料や雑誌を取出して、万一に備えて用意していた手提袋に入れた。おそらく5kgは減らせたと思って出直すと、6kg減っていて、24kgだった。その代わり、自分で持つ荷物が増えて、また汗だくになって空港内を移動した。前方には、日本人の団体と思われる人たちが私と同じ方向に歩いている。50人以上はいるだろうか。いや70人近いかもしれない。この人たちに巻き込まれて、出国審査に時間がかかるのは避けたいと思い、早足で抜き去った。重い荷物、暖かい空港、肩に食い込む荷物、早歩き。いつものように、また汗だくである。

そんな状況になりそうな予感がしつつ、昨日は4時に起きた。前日のうちに荷物をほぼ詰め込むことができたし、部屋の片付けや掃除も、ほとんど終えてしまったので、無理に早起きをする必要もなかった。6時半に泳ぎに行って、9時に出発する。昨日から、オンライン・チェックインを試しているのだが、席が確定していないというような表示が出る。一番後ろの通路側を予約してあるのだが、そこが取れないというのは不安だ。普通の予約画面では、その席のままになっているので、もしかしたらという予感が沸いて来た。そう、これはもしや「ビジネスクラス」へ格上げではないか!

はやる気持を抑えながら、ケルン中央駅のルフトハンザのチェックイン・カウンターに向かった。窓口の女性に、「オンラインチェックインで席が選べなかったのだけれど…」と元気よく伝えたのだが、何のことはない、ただの満席で、予約した席以外は選択できないために、そういう画面が出てきたらしい。エアバスA380のビジネスクラスに搭乗する夢は合えなく消え去った。フランクフルト空港の搭乗口に行くと日本語の案内があり、何やら席が決まってないまま搭乗手続きを済ませた人たちがたくさんいるらしい。要はエコノミークラスが、予約過剰になっているようだ。

せめて一席でも、ビジネスクラスを私に…と思ったが、その願いは叶わなかった。満席の機内に入ると、若い女性が一番後ろの私の席まで来て、客室乗務員に搭乗券を見せている。そしてビジネスクラスへ昇る階段へ向かったのだ。偏見を承知で書かせて頂くなら、どう見てもビジネスクラスには乗りそうもない、うら若き女性が上階へ上がって行ってしまったのである。この状況を冷静に分析するなら、おそらくエコノミーで予約していたものの、1階席の最後尾まで来たのに席が見つからないので、客室乗務員に訊いたら、ビジネスクラスになっていたと見るべきだろう。いいなあ。

最後尾にいた女性の乗務員に訊くと、「今日はエコノミークラスが満席で、予約超過らしいわよ。ビジネスクラスの方は、かなり空きがあるみたいだけど…」と教えてくれた。オンライン・チェックインで席が確定できなかったから、その先の展開を期待していたのだが、残念ながら私にはビジネスクラスへ誘うドイツ天使は舞い降りて来なかった。仕方なく、いつものようにエコノミークラスを満喫しよう。食事が出て、お酒も好きなようにほどよく飲めて、そして何もしなくても1万kmを移動できるのだから実に有難いことだと思うのである。

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