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還流独歩

新春水泳 その1 2012.01.01

元旦の8時55分。入口に並ぶ40人近い男たち。少し前に着いたときには、20人くらいだったが、いつの間にか一気に人が増えて、一階から地下へ降りる階段の最上段まで長い列が延びている。新年初日から泳ぎに来た水泳中毒の人たちだ。無論、私もその中の一人である。男性に対して、女性は少なく、数名だろうか。

世田谷区の大蔵にある総合運動場に併設されているプールは、正月三が日も営業しているというので、気持も新たに初泳ぎに来たのである。調べてみたら、都内には同じように元旦から開いているプールがいくつかあることがわかった。その中で、初日にここに来ることにした理由は、50mプールだからだ。

来る前にウェブ上に掲載されている写真を少しだけ見ただけだったので、どのような感じの施設なのかはわからなかったが、来てみたら、プールは地下にあることがわかった。一階の大きなガラス張り部分から見下ろせるだけでなく、天井まで二層分以上もある吹抜けになっている。しかも高さのある両面採光のため、とても明るく開放感がある。

泳ぎに来て、気持が高ぶるのは久しぶりだ。更衣室は大きく十分な広さがある。シャワーを浴びて準備をするが、初めて来るプールというのは、勝手がわからないもので、泳ぎ始めるまで時間がかかってしまう。40人近くいた男性は、それぞれのコースに分散したようだし、長水路なので、泳いでいる人が多くても、混んでいる感じはない。

久しぶりに50mプールを泳ぐ。実際には25mの倍の長さしかないのに、泳いでみると2.5倍くらいあるように感じられる。あたり前のことだが、端に着くまで長いのだ。25m地点でターンをしないまま泳ぐので、腕もかなり疲れる。ただしその分、泳ぐ充実感が得られることは確かだ。しかも距離が長いから、遅い人を抜くのも楽である。

このプールにも休憩時間があり、最初は9時50分から10分間だ。その次は、2時間後の11時50分からである。開館は9時だから、最初の休憩は10時50分からにしても良いのではないかと疑問を感じつつ、休憩時間の開始と同時に泳ぎ終えた。泳ぎ始めたのが、9時15分くらいからだったから、30分程しか泳げず、気分的に泳ぎ足りないが致し方ない。

外に出ると気温は低いが、陽射しが暖かい。そのあと、都内某所の大型電気店で買物を済ます。元日から営業しているというのは、有難いような、行き過ぎなような気がして、買物をしておきながら、何だか妙に複雑な気分である。午後から、今年最初の作業をゆっくりと始める。静かで穏やかな時間が過ぎて行く。

嫌みでも何でもなく、多くの人が休んでいる休日に作業をするのは、意外と心地良いものなのである。こんな感じで始まった環流独歩を、今年もどうぞ宜しくお願い致します。

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