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還流独歩

修道院と友人の個展 その1 2012.04.22

ケルンから車で1時間ほどのところにある「シュタインフェルト/Steinfeld」という小さな街にある修道院を訪ねた。目的は、この修道院ではなく、その脇の芸術館ともいえる場所で、友人の写真家と芸術家が揃って開いている個展を見に行くことだったが、その修道院の装飾も実に素晴らしかった。

アイフェル地方という、決して裕福ではない街が点在するところに、こんなにも素晴らしい教会があるというのは、ある意味、大いなる驚きでもある。今日はカトリック教徒の人にとって需要な日らしく、お昼過ぎについたときには、修道院の前の通りは、車で埋め尽くされていた。

ここは修道院といっても決して小さくはなく、いろいろな研修も行なえる施設があり、中に入ると非常に大きいことがわかる。しかも、若い人たちがたくさん来ており、記念撮影などもしているから、極めて有名なところのようだ。恥ずかしながら、いままでまったく知らなかったが、今日ここに来れて良かったと思う。

修道院の中を少し散策したあと、併設されている芸術館を訪れる。遠くからでも私の姿がわかったようで、写真家の彼が手を振って出て来てくれた。そういえば、知り合ってから、もう10年近い時間が過ぎた。私よりも15歳以上も上なのだが、私にとってはケルンに住む友人の中でも大切な一人である。

彼が撮った写真の多くは、すでに見て来たけれど、大きな木枠の中に引き延ばしされた写真は、素直にとても美しく見える。彼が撮る写真というのは、まさにケルンの日常を切り取ったものであり、その裏には、どこかしら哀愁が感じられるのである。私も趣味の写真という枠の中に納まったままだが、彼の影響を多分に受けている(と勝手に思っている)。

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