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還流独歩

朝の地下鉄 2012.06.25

地下鉄の茅場町駅は、東西線と日比谷線が交差している。東京の東西と南北を結ぶ路線だから、利用客はそれなりに多いし、乗り換える人もかなりの数に上るのではないかと思う。しかも、茅場町界隈は証券会社や大きな企業も多いから、朝の時間帯は、地下鉄のホームへとつながる狭い階段から、無数の人たちが吐き出されて来る。その人波に圧倒されて躊躇などしていると、人が出終わるまで階段の中に入り込めないから、急いでいなくとも、強引に下るしかない。

特に東西線のホームは人が多い。朝の通勤時間帯は、乗降客を整理する臨時の係員が白線の上で、腕を左右に大きく広げて、白線の内側を歩くように大声を上げながら注意を喚起している。何もそこまでしなくても良いのではないかと思うのだが、ホームには狭い部分もあるし、混雑している時間帯だと、電車に接触してしまう危険性もまったくないとはいえないから、そういった対応も止むを得ないのかもしれない。

東京の電車は、毎日毎日、たくさんの人を乗せて走っている。それにしても、一体どれくらいの人が、通勤や通学のために、都心と郊外を往復しているのだろうか。電車の扉が開くたびに、たくさんの人が押し出されて来る光景は、普通に繰り広げられている日常生活の中の単なる一場面とはいえ、日本の特異な面だけを映し出した海外の映像を見ているような、不思議な錯覚さえ感じてしまったりするのである。

もちろん、私も地下鉄を利用しているから、その中に紛れてている一人ではあるのだが…。

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