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還流独歩

満席移動 その2 2012.09.18

搭乗前に、隣りが空いている席がないか念のため訊いてみた。すると最後尾の前が壁のところが2席空いているという。でも前に壁がある席に一度座ったときに、とても疲れたので気が進まなかった。とはいうものの、機内に入ってから、念のため確認に行ったら、小さい子供と荷物をたくさん持った家族がいたので、彼らが4席使えた方が良いと思って諦めた。

飛行機が駐機場を離れる前に眠ってしまったようで、離陸直前にエンジンが全開になったときにふと目が覚めた。わずか10分か15分くらいだろうか。飛行機は巡行速度に入ったかのようなゆったりとした動きのまま機首をゆっくりと上げてフランクフルトの上空へと飛び立った。いつになく静かな離陸である。

東京に向かうA380は、ほぼ満席で、空いている席は10席もないようだ。私の隣りには、ポーランドから日本に向かう男性が座っている。ドイツ語はできないというので、特に会話らしいことはしなかったが、お手洗いに立つときに、少しだけ話をした。飛行機はシベリア上空を順調に東ヘと向かっている。

東京には定刻に着いた。あたり前のことだが、飛行機を降りただけで暑い。空港内に入っても蒸し暑さを感じる。この時期でも、まだ最高気温が30℃近いというのは、なかなか辛いものがある。ケルン中央駅では、冬物の薄手のコートを着ている人がいたから、いかに温度差が違うかがわかる。東京で冬物が必要になるのは、まだまだ先だろう。

到着後、空港内で少し休憩してから都内に向かう。あいにく私は、日本以外のアジアの国を尋ねたことはないので、こんなことを言うのも憚(はばか)れるのだが、東京はアジアを代表する都市に違いないのだと感じる。24時間、動き続ける躍動感が伝わって来る。たかが東京、されど東京。午後の少し遅い時間から再始動である。

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