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還流独歩

歓待 2013.01.04

夕方、大学時代の同期の家にお邪魔する。一昨年に、マンション住まいから一軒家に引越したのだが、最近、少々頻繁に訪れている。多少の遠慮はあるものの、ほとんど気兼ねすることもなく行けてしまうというのも少々問題だと思いつつ、いつでも来て構わないと言われると、それに甘えてしまうものである。

最寄駅の脇にあるスーパーマーケットに入ると、美味しそうなイチゴがあったので、二つ箱詰めにされているのを買った。会計してもらうと、その箱に合う専用の袋をくれた。流石、日本である。これがドイツだったら、箱詰めもなければ、それ用のレジ袋などが用意されているということなど、まず有り得ないだろう。

駅から歩くと15分弱だろうか。幹線道路の脇に点在する店の様子を見ながら、ほどよい寒さの中を歩く。住宅地に入ると、静けさの中に、エアコンの室外機の運転音が響いている。それを聞くと、冷媒のつながった室内機からは温風が出ていることを想像してしまう。実に白ける話だが、寒い冬に温もりが得られるというのは有難いことである。

到着後、夕食をご馳走になる。昨年の秋に、バーデン地方で手に入れた赤ワインを開ける。美味しい食事とお酒と楽しい会話で新年が過ぎて行く。何気ないことだけれども、とても大切な時間のように思える。こういったことが日常の中の幸せとでもいうのだろうか。そして、こうして歓待してくれることに厚く感謝である。

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