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還流独歩

客室乗務員の労働環境 その2 2014.08.24

彼女が言うには、労働時間が少ないから、その分、給与も低いということであったが、働く環境としては悪くないという。むしろ、日本の航空会社に勤務する人たちからの話を聞く限り、その環境では、とても長くは働けないらしい。それに対し、欧州の客室乗務員の人たちの年齢層が幅広い理由は、労働環境の良さが大きく関係しているのだろう。

実際、その女性の客室乗務員の方も、その点を指摘していた。日本の航空会社の地上係員や客室乗務員は、海外に比べると、圧倒的に若い女性が多い理由は、労働環境が厳しく、若い人でないと務まらず、また長く続けられないとのことであった。そういった状況もあって、外資系の航空会社に転職したというようなことを言っていた。

私は日本の航空会社に対する批判を述べたいのではなく、その彼女から聞いた話を素直に書き留めておきたいだけである。またそれと同時に、これらのことは、日本の多くの企業にもあてはまることであり、働く人たちを使い捨てにするかのような冷待遇が常態化していることは、目に見えない大きな損失へとつながって行くのではないだろうか。

契約社員の数が増え、低賃金による生活への不安を訴える人も決して少なくない状況を見ると、豊かな日本と言われながらも、その実情は非常に危険な状況にあるようにも思える。だからこそ、本当の豊かさとは何かについて、ふと考えてしまう。経済的にも精神的にも豊かになれるのが一番良いのかもしれないけれど、その本質とは何なのであろうか…。

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