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対談

第2回 建築は自然増幅器 2009.10.14

小室 眞田さん、前回の対談から、もう二か月も経ちましたよ。
眞田 そうですね、そういえば「第一回目は長い」って声が多かったので、今回は短くしましょう。
小室 了解です。前回は、ついつい力が入って長くなってしまいました。それで今回は何を話します?
眞田 ん〜、まずは飲んでから考えましょう。
小室 じゃあ、適当にしゃべりまくって、面白いネタが出て来たら、それで行きますか(笑)。
52分経過・・・
眞田 最近思うのは、当たり前のことだけど、建築って、建物だけ考えてはだめなんですよね。
小室 そうだね。そういえば、宿谷先生が描いた入れ子構造の図が、最近とても気になってるんですよ。
眞田 あの「人間−建築−環境−地球−宇宙」って絵ですよね。
小室 そう。「人間と環境」って「自然」なんだけど、その間にある「建築」って「人工」でしょ。つまり、「自然−人工−自然」って構図なんですよ。
眞田 その人工物としての建築はどうあるべきか・・・ってことですよね。
小室 そこなんです。建築という人工物が自然とか環境とかに配慮できるのかなって、ことが私の素朴な問題なんです。
眞田 ちょっとだけ話し変えていいですか? 僕、波乗りやってるじゃないですか。
小室 知ってますよ、見たことないけど(笑)。
眞田 そのうち一緒に行きましょう(笑)! それで、「人間」と「波」って「自然」ですけど、波を楽しむ為の道具の「サーフボード」は「人工物」じゃないですか。
小室 おお〜、何か来たぞ〜!
眞田 人工物の板きれがあると波に乗れちゃうわけですよ。
小室 なるほど! 波乗りは、「自然−人工−自然」が一体化することなんだね。
眞田 そういうことです。サーフボードっていう人工物のお陰で、人間の潜在能力が引き出され、しかも海という偉大な自然が生み出す波を楽しめちゃう!
小室 建築もそうあるべきなんじゃないかと・・・。
眞田 ええ、最近ずっとそんなこと考えてるんです。
二人はがっちり握手(笑)
小室 つまり、建築は人間と自然をより結びつける増幅器としての役割を担えるんじゃないかと?
眞田 そういうことなんじゃないですかね。要はサーフボードと同じゃないかと思い始めてるんですよ。
小室 サーフィンから建築のあるべき姿が見えるのか・・・。単純なのに奥が深い(笑)。
眞田 それで、サーフボードも性能を上げると、波をより一層楽しめるようになるんです。
小室 そういえば、スキーもカービングへと進化したもんね。なるほど〜、建築も似たようなものかもしれない。
眞田 サーフボードも全体の形とか、底についてるフィンの形状を変えると、波とのフィーリングが全然違うんですよ。形も木の葉のようなものから、飛行機の尾翼みたいな形をしたものとか、こんなのとか、こんなのとか、こんなのとか、こんなのとか・・・(笑)。(絵を描いて説明中)
小室 お〜、そんなにたくさんあるんだ。なんかフライングV(ギブソンのエレキギター)みたいだね。確か飛行機の翼も先端の方を少し反らせると燃費が良くなる効果があるみたいだし、これとはちょっと違うけど、同じようなことだよね。
眞田 建築にも、何かそういうこと必要じゃないですか。しかも人間の感性も増幅されるみたいな・・・。
小室 それだ。いや、まったくその通り。いや〜、今回のこの絶妙な展開に私、かなり参りました(笑)。
眞田 じゃあ、「建築は自然増幅器」ってことで、今回はまとめときますか?
小室 建築はアンプリ・・・ファイア〜! って、もう言うことなし(爆)。よし、自然増幅建築をつくるには、まずは波乗りを始めないとだめだな、こりゃ(笑)!
眞田 一緒にやりましょう。今度、茨城の海に連れて行きますから!
小室 有難うございます! って、その前にビールに乗ってま〜す(笑)!
眞田 またいつもの調子になりましたね(苦笑)。
小室 失礼しました〜(笑)。
眞田 第三回目に、乞うご期待!

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