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還流独歩

阪急電車 2012.05.12

昼過ぎの飛行機で、羽田空港から大阪空港へ向かう。昨年末にも大阪・京都へ来たから、5か月振りくらいだろうか。そのとき、阪急電車の何とも言えない渋い色について、ほんの少し書いた。そして今回、また阪急電車に乗る機会を得たのだが、その色はともかくとして、実は細部にまでこだわった、非常に丁寧につくられた電車だということが少しわかって来た気がするのである。

奇麗に磨き上げられた車両、窓周りの丁寧な納まり、木目調の内装、扉の左右にある巻き込み式の手摺、落ち着ける座席のつくり、網棚のデザイン、さりげない吊り革の形、中吊り広告を挟む金具の堅さ、エアコンの吹き出し口の形状と色、長椅子の間にある仕切り、直線的で無駄のない手摺の納まり、日よけのつくり方など、とにかく細部にまで、細やかな心使いが感じられる。

もっとも私は鉄道には詳しくないし、電車の車両の「何とか系」という数字もさっぱりわからない。そして、他の鉄道会社の車両や、東京の電車と比較するつもりはないが、今回、阪急電車の車両を良く見直してみてみたら、極めて良く考えられたデザインであり、上品さや気品さえも感じられる気がするのである。それまで、独特の茶色の車体だけを見て、野暮ったく思っていたことを反省した次第です。

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