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還流独歩

視察調整 2009.11.25

先週から、樹脂系建材の再利用に関する視察の調整を行なっている。12月に某大学の研究室の方々が、その調査にドイツに来ることになっているが、他の作業に押されて本格始動が遅れてしまった。今回は、ロンドンとドイツとベルギーが調査対象国で、私は後半のドイツとベルギーを担当させて頂いている。

毎回思うのだが、視察の行程と視察先への調整は本当に大変だ。もちろん仕事として受けているから、ここにこんなことを書き込むのは場違いなのだが、視察したい企業や組織に訪問の打診を行い、先方との予定を調整しながら全体の行程を組むのはたやすいことではない。無論、最初に大雑把な行き先を決めるのだが、単なる観光の日程を組んでいる訳ではないので、相当な時間がかかる。

ちょうど一週間前から本格的に始めたのだが、ドイツとベルギーの企業や組織とのメールのやり取りは、すでに70通を超えた。しかもその大半が日本時間の夕方から深夜にかけて届くから、他の作業を含めると、この一週間は一日15時間以上のあたふた状態が続いている(笑)。しかも視察に来られる方とのメールのやり取りも、細かいのを含めると70通は超えているから、もはやメールなしでは生きられない人間になっている(苦笑)。

こういった作業は他の作業の合間にできるというものでもない。もしかしたらできる人もいるのかもしれないが、私には無理である。とにかく集中力が必要だ。一旦取りかかったら行程の調整作業から離れることはできないし、他の作業を差し置いてでも取り組まなくてはならない。視察が成功するかどうかは行程調整にかかっているといって良いからだ。だからこそ手の抜けない作業である。

ドイツの企業や組織に対して訪問の問合せに関するメールを送るときは非常に気を使う。その点ドイツは前書きなど不要で、最初から本題に入れば良いから一見楽なのだが、それでも失礼にあたらず、すぐに返信をもらえるような内容にするのは難しい。訪問の目的、希望する日時、訪問者を伝える作業は、それほど難しくは思えないかもしれないが、それが7-8社となると大変である。

簡単に訪問を許可してくれる相手もあれば。相手によっては視察の目的をもっと明確にして欲しい、という返信が来るときもある。もちろん断られるときもあるし、違う組織を紹介される場合もある。その度にドイツ語での的確な返信が要求されるのだが、それにもものすごく頭を使う。どう伝えるのが最も良いかを考えるとき、PCの前で首をうなだれることが多い(苦笑)。

ドイツの組織と日本から視察に来られる方の間に入って、互いの情報を伝え続けながら行程が決まって行く。今回は、最初のハンブルクと最後のブリュッセルが決まらない。決まらないけど、私が決めた行程はもはや動かせない。反省すべき気持ちと前向きな思いが交錯しながら、視察の直前まで、こんな状態が続いて行く。

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