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還流独歩

5か月振りのストラスブール 2010.05.15

朝9時、バーデン.バーデンからストラスブールに向かう。ライン川を超えた先はフランスである。バスで約1時間の距離だ。ドイツ側のアウトバーンは工事中の箇所が多く渋滞するかもしれないというので、すぐにフランスに入ろうとしたが、国境の道路が工事中のため、仕方なくドイツ側のライン川沿いを南下する。

最初の視察先はストラスブール駅である。既存の古い駅舎をガラスで覆っているのが特徴だ。そのあと市内を視察する。飛び石連休が関係しているのか、どこにいっても観光客ばかりだ。ゆっくりとノートルダム寺院に向かう。その前にも人が溢れている。というのは、11時過ぎから13時前まで中には入れないからだ。

早めに昼食を取ることにする。ノートルダム寺院から歩いて1分のところにあるレストランは、12時前ということもあって、我々が最初の客だったのだが、12時半を過ぎてからひっきりなしに客が入ってきて、3階建ての大きな店内は、いつの間にか満席なった。

昼食時間は1時間の予定だったが、結局、前菜からデザートまでの僅か3品で丸2時間かかった。前菜が出て来るまで30分、そこからまた30分ほどしたあと主食が出てきた。これだけで1時間である。さすがフランスと言って良いのかどうかわからないが、ドイツだって、昼食時にレストランで席に着けば1時間はかかることが多い。でもフランスはその倍だ。

周りの客をみると、とにかくよく喋る。日本の人と比較してどうかはわからないが、食事をしながら会話を楽んでいる光景をみると、羨ましいような、少々大袈裟のような、何だか複雑な感じを受ける。ともかく13時出発が14時出発なってしまった。そしてこれからドイツにフライブルクに向かう。一日に二都市を巡るというのは、やはり無理があった。

幸いにも、フライブルクでは時間を決めた予定がなかったため、昼食に2時間かかっても大きな問題ならなかったから良かったものの、時間厳守の視察が入っていたら、かなり大変な状況になっていただろう。とはいえ、フライブルクの視察は僅か1時間になってしまったのは残念だ。視察というより、ほとんど素通りである。

トライザムスタジアムからバデノヴァ・シュターディオンに名称が変更になったサッカー競技場を外観視察する。そのあと大聖堂に立寄り、市内を通り抜けて駅に向かう。しっとりとした街並は何度来ても居心地が良い。フライブルクにも人が溢れているのは、やはり飛び石連休が関係しているのだろう。

フライブルクからバーデン・バーデンへは電車で移動である。私はそのままケルンに帰るという行程だ。視察の皆さんは1等だが、私は2等である。でも車掌が来たとき、私は自分の乗車券を見せないことにした。10名近くいるし、1等の団体切符だから、その中の一人だけ2等の切符を持っているなどとは思わないだろう。案の定、車掌は人数を適当に数えただけで行ってしまった。成功!

バーデン・バーデンまでは40分間ほど、1等の旅を楽しませてもらった。電車は定刻通りに着き、私は乗降口から顔を出した状態で、視察の方々とお別れし、そのままマンハイムを経由してケルンへと戻った。僅か二日間だったが、今回も貴重な機会を頂けたことに感謝したい。

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