理念 建築 略歴 連絡
文章 視察 還流独歩 大福企画
還流独歩

カーテンと世代交代 2010.06.19

今日もカーテンの話題です。これはドイツの友人の、そのまた友人の話なので、信憑性には欠けるかもしれないが、面白い話なので紹介します。

友人の友人が住む住居からは、白いレースのカーテンをいつもしっかり掛けているお宅が見えていた。そこには高齢の女性が住んでいる。それがいつの間にかカーテンがなくなり、夜には若い男女の姿が見えるようになった。それから間もなくして、友人の友人はその女性が亡くなったという知らせを聞いたという。

この話は世代交代を如実に示す例だろう。いまでもドイツの上の世代の人は、確かにカーテンをかけていることが多い。私も10年ほど前、ドイツに来たときに、通りに向かって規則正しく並ぶ四角い窓にかけられた白いレースのカーテンが印象的だったのを覚えている。そして、その奥からお婆さんがじっと通りを見つめている気がしたものである。

それ以来、友人の家に行くと、カーテンの有無が気になるようになった。確かにカーテンをつけている人は、とても少ないと思う。普段の生活を見せたいというわけではないが、カーテンを閉めると、どうしても閉塞感が生じるので、それが嫌いなのだろう。

そんなドイツの生活をみると、カーテンの種類や掛け方は、 世代によって徐々に違って来ているように思う。

« »