しゃがむ文化と椅子 2010.06.21
一昨日、道具学会の会長である山口昌伴先生の話を聞かせて頂いた。椅子に座るという視点から、アジアやヨーロッパの文化の違いを的確に捉えた非常に面白い講義であった。
確かに日本を含むアジアは、地べたにしゃがんだり床の上に直接座る習慣がある。そもそも椅子というものが一般の家庭で本格的に使われるようになったのは、第二次世界大戦後ではないだろうか。
山口先生は、世界各国の路上で撮った写真を見せてくれた。家の中でも敷物を敷いて、その上に座って作業をしたり、あるいは低い椅子を使う国は、アジアだけでなく中東でも見られるようだ。
ヨーロッパでは、地面に直接座るような光景はほとんどない。もちろん公園などで日光浴をするときなどは別だが、普段の生活の中で、床や地面にお尻をつけて座るということは、ほとんどないだろう。
そういう私も、日本の居酒屋の小上がりで、床に座って食事をするのがいつの間にか辛くなった。いまも胡座(あぐら)はかけるが、長続きはしない。これは大いなる身体的退化であろう。
最近、蒸し暑い日が続いているから、少しだけひんやりとした感触が得られゴザとか、竹を使った床などの上で裸足になって、だらしなくくつろぐいでみたいと思ったりしている。