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セットメニューと思考回路 2010.06.22

日本では、食事のときに何種類かを少しずつ食べるという食文化がある(と思う)。だからラーメン屋さんには、ラーメンとチャーハンを半分ずつ食べたい人のために、通称、半チャンラーメンというのがあり、おそば屋さんには、ミニカツ丼とたぬきそば、あるいはカレーセット、などといった選択肢が数多く存在する。

私は食事に出かけても、いわゆるセットメニューをというものを注文することは比較的少ない。例えば、定食にサラダとか、他にも何品かついてくるというのは何の問題もなく受け入れられるのだが、例えば、ご飯ものと麺類の量が半分ずつになっているような食事は、あまり頼んだりしない方だ。

その点、ドイツでは、二つの料理が半々に盛られているということはないだろう。肉料理につけ合わせでついてくるフライドポテトとか、サラダはそれにはあてはまらない。例えば、ウィーン風カツレツに、ラビオリのドイツ版であるマウルタッシェンが半々に入ったシュニッツェル・マウルタッシェンセットという料理は見たことも聞いたこともない。

そう考えると,ドイツ料理は一品だけの直球勝負で出てくる。一方、日本は変化球のような気もするし、あるいは小さな玉がいくつか投げ込まれるという感じだろうか。それはともかく、セットメニューを見ると、食文化の違いを改めて感じるとともに、それは思考回路にも影響しているのではないかと考えてしまうのである。

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