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レジ袋で考える その1 2010.08.29

最近、好き嫌いについての話が多いのは、ずっと暑さが続いているからだろうか。気温も湿度も、もう少し低ければ、身体の疲れもないし、精神的にも良くなるのではないかと思うが、暑さのせいで思考回路が後ろ向きになっているのかもしれない。今日も同様の流れである。

日本のスーパーマーケットやコンビニエンスストアに行くと、通称「レジ袋」がもらえる。私は、このレジ袋が好きではない。だからいつも手提袋を持ち歩いている。愛用しているのは、シュトゥットガルトにあるミネラルバート・ロイツェという温浴施設を視察した際にもらった大きめのもので、肩から掛けられるので便利だ。

この手提袋は近頃、エコバッグと呼ばれている。本当にエコなのかどうか知らないが、私は別にエコだからと思って使っているわけではない。しかも手提袋を持ち歩くことで、地球環境を守ろうとか、気候変動を引き起こす可能性のある二酸化炭素の排出を抑えようとか、環境への負荷を低減しようなどとはまったく思ってもいない。

私が手提袋を一枚持ち歩くことで、地球規模の影響力を及ぼすことなどできるわけがない。そう言うと「一人一人の心がけが大切だと、あちこちで叫ばれている時代なのに…」と返されそうだ。私は、心がけで人の「意識」を変えることはできたとしても、その心がけがたくさん集まったところで特に何も変わらないと考えている。

実際、スーパーに行っても、コンビニエンスストアで何かを買っても、手提袋を持っている人はいまだ皆無に近い。「地球に優しい」なんてことばは、私は恥ずかしくて普段はまったく口にしないのだが、例えば「環境に優しいエコバッグを持ち歩きましょう」と何年も前から言われ続けているのに、持っている人を見かけることは極めて少ない。

ところで、理由を説明するのが遅くなったが、私が手提袋を持ち歩いている理由は、レジ袋が格好悪いからだ。レジ袋を持っていると何となく貧相な感じがするし、中身が何となく透けて見えるのも好きではない。男だからそんな細かなことを気にするのは変なのだが、見られることが嫌なのではなく、レジ袋を持って歩くという行為に抵抗があるのだ。

その2へ続きます。

加筆訂正:2010年9月15日(水) 布袋を手提袋に書き換えました。

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