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還流独歩

進行方向 2011.05.24

今日、電車の進行方向を間違えてしまった。いや、正確に言うと、ホームを間違えたのだ。日本は左側通行で、ドイツは右側通行であることはわかっているのに勘違いをしてしまうことがある。大抵の場合、どちらかの国に来て一週間くらいのうちに一度間違うかどうかという程度だが、時折、変なときにボケてしまったりするのである。

不思議なことに、ホームがいくつもあるような大きな駅だと問題ないのだが、地下鉄のような普通の駅に落とし穴があったりする。しかもホームが線路に挟まれた中央にある場合ではなく、離れているときこそ間違えるという変なことが起きる。まさに今日がその日だった。

いままで毎日のように乗っていた日比谷線なのに、銀座方面に行こうとして、わざわざ道路を渡った反対側にある入口から北千住方面のホームに降りてしまったのだ。しかも改札を入ったところで、ようやく気がつくという実に間抜けな事態を自らつくりだしてしまった。仕方なく、連絡階段を使って反対側のホームに行った。

線路に挟まれた中央にホームがある場合でも、電車が入って来る方向を勘違いすることがある。どちらの線路を見ても、日本だと電車は左から進入して来るが、ドイツは右からだ。無意識のような状態で電車を待っていると、自分が思っているのとは違う方向からホームに入って来て、少し驚いてしまうこともある。

そういうときには、正しい方向の電車に乗ろうとしているかどうか、一瞬、わからなくなる。そして、行き先を再確認して、ふと我に返るのだ。そんな勘違いを一度体験すると免疫ができるのか、それ以降は間違うこともなくなる。でも、日本に戻って来たり、あるいはドイツに行ったりした直後は、やはり一度は混乱してしまうのである。

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