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還流独歩

学校開放日 その1 2011.11.27

昨日の土曜のことである。友人の子供が通うギムナジウムの一般公開日があるから一緒に行かないかと何日か前に誘われたので、ここ数日の疲れを引きずりながら、朝9時前に学校の入口へ行く。その友人もちょうど着いたばかりで、偶然にもすぐに落ち合うことができた。今日は、父兄参観日ではなく、誰でも見学ができるのである。

ドイツの教育制度は日本と大きく異なり、その仕組みを平易に説明することは難しいが、簡単に言えば、6歳から9歳までは、日本の小学校にあたる「グルンドシューレ」に通い、そこから先は、高等教育を望むのか、職業訓練を中心とした学校に通うのかの選択を迫られる。

今回、訪問したギムナジウムは、高等教育へ進むことを前提とした学校で、8年間の長期教育課程であるり、初学年は小学5年生ということになる。また学校開放日で授業を参観できるのは、5年生と6年生のクラスのみで、これは翌年度の入学を検討している現小学4年生と、その親に対しての配慮である。

学校に入ると、すでに多くの家族が訪れており、階段にも人が溢れている。授業参観の内容が書かれた紙を見ると、5年生と6年生とも、それぞれ4クラスのようだ。授業内容は、数学、音楽、ドイツ語、フランス語、英語、生物学で、そのうち、ドイツ語、数学、英語については、二人の先生が同時に別々のクラスを教えていることもわかった。

1限目は生物学の授業を参観した。鳥の羽と、同じ大きさの紙はどちらが重いかという内容だった。6つくらいの班が、用意された鳥の羽をそれぞれ持ち寄り、その羽を紙の上でなぞって、同じ大きさの紙の羽をつくるのである。それを精密な電子計量器で測定し、重さが違う理由について考察する。これは大人にとっても興味深い。

子供たちが重さを量るところを一緒に見せてもらった。一番小さな羽は軽過ぎて重さを示さず、計量器の表示は0.00のままだ。一方、同じ大きさの紙の羽の方は、0.09グラムだった。他の大きさの羽も比較すると、明らかに紙の羽の方が重い。他には本物の羽が0.08グラムなのに対して、紙の羽は0.18グラムだったりする。

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