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還流独歩

極上満月 2012.05.06

昨日の話になるが、夜になっても晴れていたので、満月を見ることができた。それにあわせて、地球に最も近づくため、いつもよりも大きく見えるらしい。何やら「スーパームーン」と呼ばれているようだが、もう少し含蓄のある表現方法はないものかと思いつつ、何度か、バルコニーに出て、白く光る月を見上げた。確かに少し大きく見えるような気もするが、肉眼では、さほど変わらないように思える。調べてみたら、水平線に近い、月の出や月の入りのとき、より大きく見えるらしい。

それにしても、月というのは、何と言うか、神秘的な存在だと思う。天文学が発達し、太陽系や宇宙がどのような仕組みになっているのかが、ほぼわかってしまったいまでは、そんな風に感じることもないのかもしれないが、例えば、電気がなく、夜は火を灯して明るさを得ていた時代には、街全体が明るくなることなどなかっただろう。だから、毎日、見られるわけではないが、そこに降り注ぐ満月の月明かりというのは、おそらく貴重な光源の一つだったのではないだろうか。

そんなことを思いながら見る今日の満月は、何だか切なくもあり、その一方で孤高な力強さがあるようにも見える気がするのである。

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