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還流独歩

淡路島 2012.08.15

友人家族と車で淡路島へ向かう。明石海峡大橋を渡るのは初めてだ。何か大きな目的があるわけでもなく、友人たちの提案に乗せられるがままの移動だが、そんなゆるい感じが心地良い。昼食を済ませたあと、海水浴場へ行く。東京近郊の騒がしい夏の海とは程遠く、海水浴客もそれなりにいるものの、何ともいえない気だるさのある雰囲気が漂っている。そう言うと失礼だが、決して悪い意味ではない。どこか海辺の田舎の正しい光景なのかもしれない。

久しぶりに海で少し泳いだあと、近くの美術館を訪れる。沖から吹き上げて来る海風が心地良い。島と海と美術館。何とも言えない組合わせである。いつも思うのだが、こういうところには、不思議なことに緩やかな時間が流れている。その中にいると、妙な郷愁を感じたりもする。それは、自然の中に身を置くときに感じられる哀愁のようなものだったりするのかもしれない。沖を行き交う船を見ながら、そんなことを考えた。

夕方、大阪市内に戻り、一緒に食事を済ませて、そこで友人家族とお別れする。ほんのわずかの時間だったけれど、会う時間をつくって頂いたことに心から感謝である。

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