水のかかる場所 2012.08.20
良く利用している銭湯に「この場所は水が掛かります」と書かれているところがある。それは水風呂に近い三つのカランの前だ。水風呂から出るとき、周りの人に水がかかるのだろう。しかも水風呂専用の桶も用意されているから、水をかぶる人も見かける。いくら銭湯とはいえ、背中に水しぶきが飛んで来ると、やはり冷たい。
この但し書きを見ると、いつも決まって思うのだが、むしろ水をかけてしまう恐れのある人の方に対してこそ、注意を喚起すべきではないだろうか。例えば、「水を浴びるときは周囲の方に配慮下さい」とか、「水風呂をご利用の方は、周りの方に水がかからないようにお願い致します」と書くべきだと思うのである。
最近はあまり見なくなったが、「猛犬注意」という看板がある。噛み付くかどうかを犬の判断に任せることはできないから、この表示はやむを得ないと思う。「漏水注意」とか、「床すべる注意」なども致し方なないだろう。でも、水風呂は違うはずだ。水をかけられる可能性のある人の方が注意しなければならないというのは、どうも腑に落ちないのである。
特に裸で利用する場所だからこそ、周りに気を配りたい。それはとても大切なことだと思うが、はたして自分は、そういった心遣いができているだろうか。「ここは水がかかります」の表示を見ると、そんなことを考えてしまうのである。