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水泳談義 その2 2010.04.02

昨日に引き続いて、水泳の話です。

泳ぎに行くことは、義務のようなものだと言いつつも、奥が深いスポーツだと感じている。私が面白いと思うのは、泳ぎ方と速度の関係だ。どういうことかというと、両腕を忙しく動かして、必死に水をかくことが必ずしも速く泳ぐことにはつながらず、その逆で、ゆっくり泳いでいるように見えても、実は結構速かったりするという、一見、矛盾にも思える不思議な事実が存在することだ。

北京オリンピックの平泳ぎで二つの金メダルを取った北島康介は、作家の村上龍との対談の中で、100mの決勝では、いままでの自分の泳ぎの中で、最もストロークが少なかったと語っている。私は水泳の専門家ではないので、もしかしたら間違っているかもしれないが、彼はオリンピックという舞台で、水をかく回数を最も少なくしたのにもかかわらず、一番速かったということなのだろう。

もちろん、それは世界的な競泳選手だからできることだし、本当に速い人はすべての動きが素早いことはもちろんなのだが、私にとっては、ゆっくり泳ぎつつ、適度に速いというのに妙に惹かれるのである。

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