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還流独歩

散髪 2009.09.22

五連休の四日目。午後、髪を切りに出かけた。もう15年近く同じ人に切ってもらっている。ドイツでの生活が長かったときには、しばらく顔を出せない期間が長かったが、ドイツと日本を行き来するようになってからは、かなりの頻度で訪れている。以前、東京で勤めていたときは、三週間に一度の割合で切ってもらっていた。それは唯一の贅沢だった。

学生の頃に住んでいた街に来ると当時のことを想い出す。東横線や大井町線は相変わらず垢抜けた雰囲気を感じさせてくれる。連休のせいか、自由が丘には人が溢れている。南口から緑道を経て、緑が丘方面に向かう路地にも観光客と思われる人たちがいっぱいだ。長年勤めた美容室から独立したばかりの和田さんのお店まで懐かしい風景が続く。

入り口には7月に開店したときに贈った観葉植物が置かれていた。こうしてお店の前に出してくれるのは嬉しいものだ。今日は他のお客さんがいなかったので、奥さんとアシスタントの女性の三人が私を迎えてくれた。お店は新しいけれど、気兼ねなく来れるのは、もう何年もの付き合いだからだろう。すぐに髪を洗ってもらう。毎回のことだが、このまま寝てしまいたいと思うくらい気持ちが良い。

学生の頃は床屋に行っていたが、あるきっかけから、美容室に行くことになった。そこで知り合った和田さんは、年が同じということもあって、一緒に飲みにいったりしたことが何度もあった。自宅に泊めてもらったこともある。彼といろんな話をしながら髪を切ってもらう時間は、とてもゆったりと過ぎて行く贅沢なひとときである。次回は和田さんの誕生日を祝おうという話で盛り上がって、お店をあとにした。

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