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朝日新聞のコラム – 世界のウチ 2009.11.15

2005年から朝日新聞のウェブサイトにコラムを寄稿している。といっても私自身のコラムではなく、「海外書き人クラブ」という物書き/ライターの人たちが集まった国際的組織による連載である。そう書くと何か巨大で怪しい陰のある団体に思われるかもしれないが、まったく逆である。詳しいことは文章の欄から覗いてみて下さい。手抜きですみません。

ところで私がこのコラムに寄稿しようと思ったのは、いたって単純な理由からである。2004年から朝日新聞のウェブサイト版に掲載されている「ライフ>住まい>世界のウチ」というコラムには、いまでこそたくさんの人が書き綴っているが、最初の頃は、オーストラリア在住のお世話係の柳沢さんを除くと他の執筆者はすべて女性だった。それを知った私は愕然とした。日本の男性が一人もいないとは情けない。ということで寄稿させてもらうことにしたのである。単純。

「女はいいよな〜、海外に簡単に行けて」。これは知り合いの日本人女性が海外留学のために職場を退職する際、会社の男性に言われた台詞である。統計的なことは一切わからないが、海外に留学したり、日本を離れて異国での体験をしてみたいと考える人は、確かに女性の方が多い気もする。ただし、それが簡単かどうかというと、そんなに安易な気持ちではできないようにも思う。

だから女性の方が簡単に海外に行けて羨ましいというようなことをいう男性は卑怯だ(+若干の怒り)。本当は海外に行ってみたいけれど、いろんな理由があって、その夢を実現できない人は、男女問わずたくさんいるだろう。女性に限らず、本当に行きたかったら、男性でもそうすればいいだけの話だと思う。女性だから簡単に行けるという考えは、何だかとても失礼ではないだろうか。

いつの間にか話がものすごく脱線してしまった。そんなことはさておき、新しい原稿を募集するという連絡が来た。といっても仮原稿である。今回は二本立てで、求められる内容は「リビングだよ! 全員集合」と「ちょっと変わった好条件!?」である。こんな風に課題が毎回異なるから、私が書いてみようと思うのは年に一、二回しかないことが多い。

前者の「リビングだよ! 全員集合」というのは全然思いつかなかったが、二つ目の「ちょっと変わった好条件!?」は、あてはまる事例がすぐ頭に浮かんだ。というのは、書き溜めた原稿があったからだ(笑)。それを少し手直ししていると、もう一ついけそうな内容を思いついた。それは既に寄稿したものである。

そうはいうものの、原稿を書くのは本当に大変だ。一本のつもりが、二本書くことにしたので、日曜のほとんどが原稿書きで終わってしまった。夜10時過ぎ、原稿をオーストラリアに送る。それが日本の新聞社に転送されて、後日、採用か不採用の連絡がオーストラリア経由で私のところへ来る。提出した二本の原稿のうち、一つは採用されそうな気がするが、二本は難しいかもしれない。あまり期待せずに待つことにしよう。

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